海外フリーエージェント(FA)権を行使して米大リーグ移籍を目指す巨人・菅野智之投手(35)と登板全試合でコンビを組んだ小林誠司捕手(35)が25日、東京都内で行われた最優秀バッテリー賞の授賞式に出席。菅野のメジャー移籍で今季限りで解消となる〝スガコバ〟コンビを名残惜しんだ。
「まさか誠司と獲れるなんて思ってなかった。どの賞よりもうれしい」と菅野。小林も「大変光栄なこと。うれしく思います」と偶然にも同じえんじ色のネクタイを着用して喜びを語った。
菅野は「来月上旬からハワイに渡って自主トレします。まだ話は来ていません。機会があればオンラインのミーティングをするつもり。交渉が進めば帰国することもある」と進捗状況をドジャースのベッツと同じ代理人事務所「VCスポーツグループ」に託して見守る方針だという。
シーズンを通じてバッテリーを組むのは5年ぶり。気心知れた2人の喜びはひとしおだ。メジャー移籍を目指す菅野に小林は「自信を持って、らしくマウンドで表現してくれれば」と立てれば、菅野は「多分、誠司は賞を取ることは無理だと思うんで」と報道陣を爆笑させた上で「チームを引っ張っていってほしいし、日本一になってほしい」と託した。
「他の選手とこの賞を獲って(菅野を)嫉妬させられれば」と笑った小林だが、笑ってもいられない。国内FA権を行使したソフトバンク・甲斐拓也捕手(32)に巨人は猛アタック中。
「それは僕が決めることではないですし、巨人が強くなるためには必要なこと。やるべきことをしっかりやって自分自身は頑張りたい」と気丈に話したが、最愛のパートナーが去り、最強のライバルがやってくるかもしれない状況は穏やかではない。 (片岡将)