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大関陥落の貴景勝「自分の力が通用しなかった」 慢性的な首痛で稽古不足「本来の当たりができない」と常盤山親方

zakzak by夕刊フジ 2024年7月27日 14時0分

大相撲名古屋場所 13日目=26日、ドルフィンズアリーナ

首のけがに苦しむ大関貴景勝(27)=常盤山=が8敗目を喫し、9度目のかど番で5年間守った大関の座から陥落した。

横綱照ノ富士(32)=伊勢ケ浜=に当たりを止められ、出たところをはたき込まれ両手からバッタリ。貴景勝は「自分のダメなところがあるから負けた。強いやつは大関にいるし、もしくは上に行く。弱いものは落ちるべきだと思う。首は何の理由にもならない。それも含めて自分の力が通用しなかった」と今場所一の冗舌だった。

慢性的な首痛に苦しめられ、満足な稽古ができず。武器である立ち合いの鋭い当たりの威力も大幅減では厳しい。

師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「前に攻めている。相撲はだんだんよくなっている」と評価。しかし、あと一歩まで攻めながら土俵際で逆転負けを食らうことが多いことに「稽古が十分ではないので、そういうところが出てくる。本来の当たりができないぶん、攻めづらいので一気に持っていくことができない」と分析した。

2019年春場所後に大関へ昇進し、膝を痛め2場所で一時陥落。10勝で特例復帰したこともあるが、貴景勝は「あのときから年齢を重ねて、落ちたのは同じですけど中身はまるっきり違うので」と苦しい状況は誰よりも理解している。

自身も大関65場所から陥落している九重審判長(元大関千代大海)は「力を振り絞ったと思う。首のけがで思う存分力を出せなくなってきたのは確か。負けたときに起き上がるのに時間がかかった。思いがこみあげたのかなという印象は見ていて受けました」と心中を代弁。

10勝して特例復帰したのは三重ノ海、貴ノ浪、武双山、栃東(2度)、栃ノ心と貴景勝の6人だけ。27歳11カ月で引退となれば、大関経験者では大受の27歳1カ月に次ぐ若さとなる。「貴」を継ぐ男は、奇跡の復活を果たすことができるか。 (塚沢健太郎)

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