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川尻哲郎「TIGER STADIUM」店主敬白 零封負けで自力優勝消滅の阪神、連覇には自己犠牲で「つなぐ意識」が絶対に必要だ キーマンは中野拓夢・木浪聖也・梅野隆太郎

zakzak by夕刊フジ 2024年8月13日 13時30分

阪神戦を観ながら飲んで食べての私の店は、普段なら試合がない毎週月曜が定休。でも今週は振替休日で、12日に巨人戦(東京ドーム)が行われたので店を開け、阪神で同僚だった桧山進次郎と的場寛一にもそろって顔を出してもらいました。

恒例のジェット風船飛ばしに、六甲おろしの激唱で店内は大いに盛り上がりましたが、肝心の試合は…。佐藤輝の適時失策のみの〝スミ1〟、散発3安打の零封負けで自力V消滅。きつい結果になりました。

岡田監督は「勝負の9月」に向けて闘志を燃やしていますが、チームにとっていま改めて大事なことは自己犠牲の精神です。これまでの連載でも言ってきたように、去年の優勝は無敵の独走、重圧がないまま胴上げまでいきましたが、今年は真逆の大接戦。首位広島、巨人、そして阪神の三つ巴の様相です。こうした状況で勝っていくには、打線は自分が打って…ではなく、つないで、つないでのより強い意識が絶対に必要です。

連覇へのキーマンを挙げるなら中野、木浪、梅野です。佐藤輝ら主軸の活躍は大前提ですが、この3人がいかに塁に出て、つないでくれるかが得点力にも影響します。投手陣では左肘、肩と度重なる手術を乗り越え、11日の広島戦(京セラ)で3年ぶりの復活白星を挙げた高橋遥人です。次回も23日からの広島3連戦での先発が予想されていますが、広島との直接対決が残り6試合あると思えば本当に大きい。選手の皆が彼の復活を祈ってきたわけだし、救世主として頑張ってほしい。去年の日本シリーズでも、故障明けの湯浅が電撃的に登場して、流れを変えています。

さて、この日の試合後の店内はさすがに沈痛ムード。それでも、「まだまだ勝負はこれから!」とお客さんを元気づけてくれたのが、阪神の暗黒時代にも一緒に汗を流してきた貴重な仲間、1歳下の〝ひーやん〟と8歳下の寛一でした。残り37試合、私も含めた「暗黒OB3人組」の思いは、改めて〝アレンパ〟しかありません! (元阪神投手、スポーツバー店主)

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