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自民総裁選〝後出しジャンケン〟の様相 背景に裏金事件か、河野氏は返還に言及 高市氏、進次郎氏らは台風を理由に正式表明延期

zakzak by夕刊フジ 2024年8月29日 15時30分

自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)で、立候補の正式表明の延期が相次いでいる。高市早苗経済安保担当相(63)や林芳正官房長官(63)、小泉進次郎元環境相(43)らが、台風10号の対応を理由に引き延ばしを決めたが、背景には岸田文雄政権や自民党の〝大炎上〟を招いた「派閥裏金事件」などの後遺症があるという。

台風で表明延期

「裏金事件へのスタンスを誤れば『大けが』につながる。各候補が慎重になっている」

ある候補の周辺は、悩ましい現状をこう明かす。

高市氏、林氏、小泉氏らは当初、8月中に出馬表明する見通しだった。だが、高市氏は来月9日、林氏は3日、小泉氏は来月6日に延期することで調整を進めている。

裏金事件で、自民党は既に関与者の処分を行ったが、今月、総裁選への出馬を正式に表明した石破茂元幹事長(67)や河野太郎デジタル相(61)が、今後の国政選挙での非公認や、裏金の「返還」などの検討に相次いで言及したのだ。

政治評論家の有馬晴海氏は「各候補は、党員票を得るため国民受けを懸命に狙っている。永田町では『裏金問題で的確な態度を示さないと脱落する』という〝恐怖〟が一気に拡散した」と語る。

推薦人の激しい引きはがしなどを警戒し、出馬を〝後出しジャンケン〟とする傾向が強まっていると見る向きもあるが、大きな要因は裏金問題への対応だというのだ。

これに対し、裏金事件で多数の議員が処分された旧安倍派(清和政策研究会)などの議員らは「決着した問題の蒸し返し」「一度裁かれた議員を繰り返し叩き、世論に『正義漢』をアピールする材料にしている」と激怒している。

前出の有馬氏は「裏金問題にしっかり決着をつけず、総裁選不出馬を決めてからようやく、『引責表明』した岸田首相の姿勢なども尾を引いている。この問題は対応を誤れば総スカンを食らいかねない。仮に、関与者を全員非公認とすれば影響は甚大だ。それだけに、これから出馬表明する候補は、『他候補の立ち位置を見たい』という思いにかられている」と指摘した。

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