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日本の解き方 中国の危険情報「レベルゼロ」先進国では日本のみ 日本人男児刺殺、背景の「反日教育」やデマ横行の実情 閉会中審査で徹底追及すべき

zakzak by夕刊フジ 2024年10月1日 11時0分

中国・深圳の日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件で、背景に「反日教育」やSNSでの日本への誹謗(ひぼう)中傷が指摘されている。日本人が「反スパイ法」で拘束されるケースもある。

日本以外の国がどのように中国を見ているのか、各国の中国への渡航・滞在に関する危険情報が参考になる。

産経ニュースによると、米国は4段階中、上から2番目の「レベル3」で、「渡航の再考」を求め、台湾も「レベル3」、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは「レベル2」、韓国は「レベル1」と、環太平洋の先進国・地域で「レベルゼロ」なのは日本のみだ。なぜ日本だけが異なるのか、筆者には合理的な理由は分からない。

今回の事件を受けて、中国外交部の報道官は「中国に反日教育はない」と主張するが、中国出身の人に聞くと「噓だ」という。

ネット上には「反日コンテンツ」が多数存在しており、中国政府は不都合なものは削除できるはずだが、放置している。特に、「日本人学校はスパイ養成所」という有害な噓について、これまでいくら申し入れても中国政府は対応してこなかった。今回の事件の背景に、こうした「反日情報」があるのではないだろうか。

中国に在住する日本人の間では、言葉の壁があることも理由だが、反日教育が行われる現地校にはなかなか入れる勇気はないというのは常識でもある。

中国においては、反日とともに反米思想も根強い。米国はこの点を考慮し、中国への渡航・滞在は「レベル3」としている。これは「渡航禁止」の一つ手前だ。米国務省は「中国国内で、中国政府による米国民への不当な拘束の危険が存在する」と認定している。

一方、産経報道によれば、日本の外務省は「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」としている。

日本がモタモタしているうちに、在日本中国大使館は9月24日、日本在住者や訪日旅行を予定する自国民に対し「情勢をかんがみて、警戒意識を高め安全を確保」するよう注意を促した。これでは、まるで日本のほうが危険な国であるかのようなイメージを世界に与えてしまう。

中国政府は20日、東電福島第1原発の処理水を海洋放出したことを問題視して中断した日本産水産物の輸入について、国際モニタリングなどの措置が取られた後から徐々に再開すると発表した。

日本人学校の男子児童殺害事件は18日に発生しており、日中両国ともに2つの件は関係ないとしているが、このタイミングはかなり奇妙だ。

元拉致問題担当相の松原仁衆院議員は、男児殺害事件を受け、衆院外務委員会での閉会中審査を強く求めている。

この際、中国渡航・滞在の危険情報を引き上げない理由を徹底的に政府に問いただし、引き上げを含め対中政策を見直すべきだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)

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