23日始発から運転再開
保守用車同士の衝突、脱線により浜松―名古屋間の上下線で22日の終日運転を見合わせた東海道新幹線は、23日の始発から全線で運転を再開した。日本の〝大動脈〟が寸断され、仕事や観光などの利用客は大混乱を余儀なくされた。事故や災害の際に、迂回(うかい)路の役割を担うリニア中央新幹線の早期開通を求める声が強まりそうだ。
事故は22日午前3時40分ごろ、愛知県蒲郡市で発生。線路に敷くバラスト(砂利)を運搬する車両が下り坂を走行中、停止していたバラストを突き固める車両に追突し、作業員2人が負傷した。
事故により上下328本が運休し、約25万人に影響した。ビジネスマンや修学旅行生、外国人観光客など利用者は猛暑のなか情報収集に追われ、商談や旅行、学校行事などの予定を大幅に変更する人も見られた。
今回のような事故にかぎらず、台風の接近など自然災害でも新幹線が運休することがある。路線の大部分でトンネルや地下を通過するリニアは災害に強いとされる。
北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪間の早期着工を求める声もある。環境影響評価(アセスメント)の遅れや費用の問題も浮上するが、大動脈をカバーする複数ルートの整備は急務だ。