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渡邉寧久の得するエンタメ見聞録 高田文夫センセーの人生が詰まった一冊 神田伯山がたたえ宮藤官九郎が舌を巻く お笑いの一級品資料「月刊Takada芸能笑学部」

zakzak by夕刊フジ 2024年6月24日 11時0分

人気講談師の神田伯山(41)はX(旧ツイッター)で「いやー、凄い情報量。圧倒的愛情量。」(原文ママ)とたたえ、脚本家で俳優の宮藤官九郎(53)は、今週発売の「週刊文春」の連載コラムで「この本、凄すぎる。背表紙に書いてある通り、本当に〝丸ごと一冊高田文夫〟なんです」と舌を巻く。

本紙連載陣でもある花田紀凱編集長が手掛ける「月刊Hanada」(飛鳥新社刊)。その永久保存版として先ごろ、「月刊Takada芸能笑学部」が発売された。

雑誌名の上には「ラジオビバリー昼ズ放送35周年記念」という冠が付き、その下に「高田文夫無責任編集」とクレジットされている。

放送作家、ラジオのしゃべり手として75歳の今も、第一線の現役感をキープし続ける高田文夫センセーの、テレビ番組・ラジオ番組・本・演芸ライブを作り続け、目利きとして若手を引っ張り上げ、自らもプレーヤーとして東京のお笑いを牽引(けんいん)し続けた人生が、これでもかとばかりに詰め込まれている。まさに濃厚。

宮藤官九郎、爆笑問題太田光との対談で口火を切る本誌。「人気とは高さより長さである」というセンセー自身の名言を体現した半生記(聞き書きは私です)、立川志らくからセンセーに預けられた落語家・立川志ららや「ビバリー~」のチーフ・ディレクター山口美奈氏による日常スケッチなどでセンセーの素顔がきっちり描き出される。

さらには本人の解説付きの全著書、秘蔵台本、編集長として送り出した雑誌の数々など半世紀以上にわたり大衆芸能を見つめてきたセンセーの足跡をまるごと全部掲載! お笑いの一級品の資料にもなっている。

担当編集者の川島龍太氏は「センセーのコアなファンに怒られたらというプレッシャーがありましたけど、評判もよくて肩の荷が下りた感じです」と安堵の声を漏らす。発売翌日には増刷が決まり、現在まで3刷という伸びだ。

来週はセンセーの誕生日ウイークで(6月25日、あの沢田研二と年月日ともに同じ)、6月28日には東京国際フォーラム・ホールAで「ニッポン放送開局70周年記念 高田文夫のラジオビバリー昼ズリスナー大感謝祭~そんなこんなで35周年~」も開催される。前売りチケットは即完売だったという。 (演芸評論家・エンタメライター)

渡邉寧久(わたなべ・ねいきゅう) 新聞記者、民放ウェブサイト芸能デスクを経て演芸評論家・エンタメライターに。文化庁芸術選奨、浅草芸能大賞などの選考委員を歴任。東京都台東区主催「江戸まちたいとう芸楽祭」(ビートたけし名誉顧問)の委員長を務める。

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