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ニュース裏表 安積明子 自民党で加速する「岸田離れ」怒る麻生副総裁、1度ならず2度も恥かかされ…9月の総裁選へ出馬危機の憶測も

zakzak by夕刊フジ 2024年6月19日 6時30分

自民党麻生派の斎藤洋明元総務政務官が16日、新潟県新発田市で開いた政治資金パーティーで、岸田文雄首相の退陣を暗に求めた。

来賓として講演した派閥領袖(りょうしゅう)の麻生太郎副総裁も、政治資金規正法改正に触れ、「将来に禍根を残す改革だけはやっちゃいかん」と、岸田首相に苦言を呈した。

2021年の総裁選で岸田首相を支持した麻生派だが、「岸田離れ」が深刻だ。

イタリアで行われたG7(先進7カ国)首脳会議を前に、岸田首相は麻生氏を食事に誘ったが、麻生氏はそれに応じなかった。そして、岸田首相が国内不在のなか、まるで見せつけるかのように、総裁選出馬に意欲満々の茂木敏充幹事長と会食した。

麻生氏が怒る原因は、岸田首相の〝暴走〟だ。今年1月、何の相談も根回しもなく派閥解消を宣言した。規正法改正案でも、麻生氏らの反対を押し切り、政治資金パーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」とする公明党の主張を受け入れた。

1度ならず、2度も恥をかかされたのだから、許せるはずがない。

「岸田首相は次期総裁選で、20人の推薦人を集められない」

永田町でこんな噂が流れるのも、岸田首相と麻生氏に生じた〝溝〟を見て取ってのことだろうか。

岸田首相が、地方組織の声を聴くとして主導した「政治刷新車座対話」では、厳しい批判が相次いでいる。5月21日、横浜市で開かれた車座対話では、あまりに厳しい政権批判が続出したため、平井卓也広報本部長がうっかり、「(9月の総裁選で)リセットできる」と発言する始末。だが、これは本音に違いない。

同じ思いを抱くのが公明党だろう。石井啓一幹事長は3月、BSテレ東の番組で、「(新たに)選ばれた総裁は非常に支持率が高くなる」と発言して物議をかもした。

後に、石井氏は「一般的な感覚を申し上げた」と、〝ポスト岸田〟の意図を否定したが、ある公明党関係者は、こう打ち明ける。

「来年7月には、参院選と都議選がある。衆院選を行うなら、年内が望ましい。しかし、岸田首相の下で衆院選は戦えない。次期総裁選では、岸田首相以外が選ばれるべきだ」

まさに四面楚歌(そか)だが、時事通信が6月13日に公表した内閣支持率は16・4%と、2012年に自民党が政権を奪還して以来、最低となった。解散・総選挙に踏み切るわけにはいかないだろう。

岸田政権と距離を置く非主流派の動きも気になる。東京都内で7日、菅義偉前首相、萩生田光一前政調会長、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務相、小泉進次郎元環境相が会食している。

通常国会は23日で閉会する。永田町はいよいよ、9月の総裁選を目指して動き出す。そもそも、岸田首相は出馬できるのか、否か。 (政治ジャーナリスト・安積明子)

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