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ニュース裏表 安積明子 印象的だった「国益」守る片山さつき議員、きっかけは韓国メディアの奇妙な報道 20年超のお付き合い夕刊フジにもたびたび登場

zakzak by夕刊フジ 2025年1月22日 15時30分

夕刊フジは今月末で休刊するが、お付き合いは20年以上にも及ぶ。取材で数多くの政治家と相まみえてきたが、最も印象に残っているのが、夕刊フジにもたびたび登場する自民党の片山さつき参院議員に「何がなんでも国益を守る姿勢」を見せてもらったことだ。

筆者は2015年1月、韓国のネットメディアが奇妙なニュースを報じているのを見つけた。日本がベトナムと合意していた高速鉄道に新幹線を導入する計画を、韓国がとって替わろうとしているというものだった。

首都・ハノイと経済都市・ホーチミンを結ぶ約1600キロの鉄道工事契約は、第一安倍政権時の06年に締結された。だが資材の高騰に加え、日本のコンサルタント企業にリベート問題が発覚し、ベトナム鉄道の副総裁らが逮捕されて、計画は止まった。

これに目を付けた韓国は、グエン・フー・チョン共産党書記長が訪韓して朴槿恵大統領と面談したとき、べトナム側に対し、ホーチミンとニャチャンを結ぶ約420キロの高速鉄道の建設に、韓国の対外協力基金の資金を投入したいと申し出たのだ。しかもベトナム側も前向きという。

これは一大事と、片山議員の事務所に急行した。こういう時に最も頼りになるのは、抜群の行動力を誇る片山議員に他ならない。

事情を話すと片山議員は開口一番、「なんて偶然!私は明日、日越友好議連の二階俊博会長の代理でベトナムに行くことになっているのよ。あちらの高官に会って、話を聞いてくるわ!」。

そして片山議員の行動力に運が味方した。片山氏はレー・ヴィエト・ハイ副首相から「日本を優先する」との言質をとり、ベトナムへの投資案件を掌握するブイ・クワン・ウィン計画投資大臣には「韓国から申し出があったが、具体的な話にならなかった」と言わしめた。

片山氏には何度か、与野党の女性議員による対談シリーズにご登場いただいた。相手方となる野党の女性議員はその都度変わったが、自民党側はいつも片山氏で決まっていた。実際の対談時間はわずか1時間。それを月曜日から金曜日までの5本の原稿に仕上げなければならなかった。

事前に5個ほどテーマを決めて伝えておくが、ひとつのテーマについて10分少々では議論はなかなか深まらない。だが、片山氏からポイントとなるキーワードが出てくるので、後で議論に肉付けしやすかった。

夕刊フジに書いてきた記事に関連して、片山氏には一番お世話になったといえる。夕刊フジは休刊となるが、機会があれば、ぜひまたインタビューをお願いしたい。 (政治ジャーナリスト・安積明子)

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