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1万本を見た映画記者 極私的スター名鑑 レオナルド・ディカプリオ、リスクあっても独創性ある役を優先 「優れた俳優になるため一歩ずつ歩む」まさに〝映画の申し子〟

zakzak by夕刊フジ 2024年11月20日 6時30分

ハリウッド生まれで子役出身のレオナルド・ディカプリオは、まさに映画の申し子。19歳のとき出演した「ギルバート・グレイブ」(1993年、ラッセ・ハルストレム監督)で知的障害を持つ少年を好演し、アカデミー賞助演男優賞の候補になった。初来日のレオはインタビューに30分遅れて現れた、元気でやんちゃな少年だった。

以後は、抜群の演技力で青春映画に次々と主演する。やがて豪華客船の沈没と悲恋を描く「タイタニック」(97年、ジェームズ・キャメロン監督)が映画史上に輝くメガヒット。日本でも1300万人を動員、レオ様ブームを巻き起こした。

レオ様はトビー・マクガイアら数人の俳優仲間を引き連れて2度目の来日。配給会社が大盤振る舞いをした歓迎パーティーでシャンパンを飲み大はしゃぎした。ちなみに筆者はこのとき初めて〝ドンペリ〟を飲んだ。しかしインタビューでは、一転して大人の顔を見せる。

「この作品に出たのはジャックのようなキャラクターを演じたことがなかったから。愛のために死ねるかと聞かれたら現実的ではない。リスクがあってもオリジナリティーのある仕事を優先している。優れた俳優になるため一歩ずつ歩む」

話題作や問題作でアカデミー賞候補の常連になった彼は「レヴェナント 蘇えりし者」(2015年、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)で過酷な撮影に耐え、5度目の候補でついに主演男優賞を獲得した。尊敬するマーティン・スコセッシ監督とのコラボは6作品に及ぶ。

私生活では有名モデルと浮名を流す独身貴族。環境保護活動を支援する財団を設立するなど話題がつきない。

やんちゃな少年も今や50歳で貫禄たっぷり。日本の京都と和食が大好きで15回以上も来日している。

■レオナルド・ディカプリオ 1974年11月11日生まれ、50歳。米ロサンゼルス出身。

■垣井道弘(かきい・みちひろ) 1946年、広島県三原市生まれ。明治大学文学部卒。週刊誌「女性自身」の記者を経て、映画評論家になる。著書に「MISHIMA」(飛鳥新社)、「今村昌平の製作現場」(講談社)、「ハリウッドの日本人」(文芸春秋)、「緒形拳を追いかけて」(ぴあ)などがある。

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