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菅野智之は「沢村賞」なぜ逃した 最終2候補に戸郷翔征と有原航平も 5年ぶり該当者なし 選考委員が最も重視した投球回数

zakzak by夕刊フジ 2024年10月29日 13時38分

球界最高の投手に与えられる「沢村賞」の選考委員会が28日、東京都内で行われ、2019年以来5年ぶりの該当者なしと決まった。今季15勝3敗、防御率1・67と復活を果たし、セ・リーグ優勝の立役者としてMVP候補の筆頭にも挙がる巨人・菅野智之投手(35)は、なぜ3度目の受賞を逃したのか。

午前中に始まった議論は熱を帯び、午後1時開始予定の発表会見は予定より45分以上押して始まった。堀内恒夫委員長(76)は「今年はたくさんの選手の名前が出たが、帯に短したすきに長し。一本化することが難しく、今年は該当者なしとさせていただきます。名前が出てくるのは菅野、伊藤(日本ハム)、有原(ソフトバンク)、戸郷(巨人)、東(DeNA)。他にもいたけれど、7項目中で満たしたのは4つが2人にあとは3つくらい。投手優位の時代にこれは残念」と苦言を呈した。

堀内委員長から真っ先に名前が挙がった菅野だが、実は〝決勝戦〟にも残れず。沢村賞の選考基準①25登板②10完投③15勝④勝率6割⑤200イニング⑥150奪三振⑦防御率2・50―のうち、勝利数と勝率、防御率の3項目を満たすにとどまった。主にカード3戦目の日曜に先発も156回⅔と投球回数が伸びず。三振数も111と打たせて取るスタイルへのモデルチェンジの結果、打者を圧倒するイメージが残せなかったことも響いたとみられる。

最終2候補に残ったのは4項目を満たした戸郷と3項目クリアの有原。選考委員が最も重視した投球回数で、基準に届かないながら180イニング超を投げたことが評価されたが、エース同士の投げ合いとなるカード頭を任されて戸郷は12勝、有原も14勝と白星がネックで受賞を逃した。選考委関係者は「『戸郷が菅野のスポットで回っていたら、15勝はクリアできていただろう』という指摘もあった」と話している。 (片岡将)

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