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「世襲禁止」掲げ出馬表明の野田佳彦元首相、立民代表選 自民を牽制か「事実上の相続税回避〝見えない政治とカネ〟問題突く」

zakzak by夕刊フジ 2024年8月30日 15時10分

立憲民主党代表選(9月7日告示、23日投開票)に出馬の意向を表明した野田佳彦元首相(67)は、主要な政策の一つに「世襲の禁止」を掲げた。自民党総裁選(同12日告示、27日投開票)に出馬が予想される顔ぶれも半数近くが政治家一族の出身だ=別表。次期衆院選をにらんで「刷新」ムードを醸し出そうとしている自民党を牽制(けんせい)する狙いがうかがえる。

野田氏は29日、千葉県習志野市で「政治に金をかけ過ぎている。政治改革を先頭に立って実現していく。議員定数削減や、自民党には絶対できない世襲禁止を打ち出したい」と述べた。特に「世襲」には複数回言及し、メインの政策とする構えだ。

すでに代表選への立候補を表明した枝野幸男前代表(60)、出馬に意欲を示す泉健太代表(50)ともに世襲ではなく、野田氏の発言が自民党を意識したものであることは明らかだ。

自民党総裁選では「刷新感」がテーマの一つとみられるが、人気のある候補にも「世襲」は多い。

その筆頭が小泉進次郎元環境相(43)で、父に純一郎元首相、祖父に防衛庁長官などを歴任した純也氏、曾祖父が逓信相、横須賀市長などを務めた又次郎氏と4代にわたる政治家一族だ。

河野太郎デジタル相(61)も、父が官房長官、衆院議長、党総裁などを務めた洋平氏、祖父が副総理、建設相を務めた一郎氏という「3代目」だ。

石破茂元幹事長(67)は新著『保守政治家 わが政策、わが天命』で、3親等以内など近い親族と同じ選挙、同じ選挙区からの出馬を一定期間制限する「世襲制限」を打ち出した。ただ、自身も自治相や鳥取県知事を務めた父、二朗氏を引き継ぐ形で政界入りしている。

政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「世襲は後援会や政治団体の資金を引き継ぐケースもあり、事実上の相続税回避という〝見えない政治とカネ〟問題でもある。野田氏は自民党の弱点を突いた形だ。世襲の問題は新首相誕生後の国会でも議論になると予想される。野党側のアピールが奏功すれば、自民党側も無視できなくなるのではない」と分析した。

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