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ロシア側として戦闘参加か 実態つかめぬ「日本人義勇兵」死亡 かつて「イスラム国」戦闘員計画で学生ら「私戦予備・陰謀罪」適用

zakzak by夕刊フジ 2024年7月23日 11時38分

ロシアによるウクライナ侵略で、ロシア軍の「義勇兵」だった元自衛官の邦人男性(29)が死亡したことが分かった。ロシア側から外交ルートで連絡があったという。

関係者らによると、男性は大阪府在住で昨年11月ごろ出国し、今年6月3日、ウクライナ東部のドネツク州で爆風に巻き込まれるなどして亡くなった。外務省は個人情報保護を理由に身元などを公表しておらず、出国後、どのような行動をとったか詳細は不明だ。

民間の日本人の紛争参加では、同盟国や友好国側を攻撃することで外交問題に発展する恐れもあり、日本政府は対応に苦慮してきた。

2014年には、中東を武力で席巻し〝建国〟を主張したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の戦闘員になろうとシリア渡航を計画した学生らが摘発されている。

学生らは渡航中止の要請を無視したため、警察当局が刑法の私戦予備・陰謀罪を適用し、旅券を没収するなどして渡航を阻止する異例の対応に踏み切った。

ウクライナ侵略をめぐっても、ウクライナ、ロシアそれぞれに「義勇兵」が参加している。紛争発生直後には在日ウクライナ大使館が義勇兵参加を呼びかけ、元自衛官ら日本人約70人が志願した。

私戦予備・陰謀罪は、交戦権がある国家以外の民間人などが、外国と私的に戦闘するため兵士や兵器の調達・情報収集を行った場合などに適用される。

ただ、戦闘参加の目的を隠して渡航するケースを阻止するのは困難で、日本政府も渡航中止の呼びかけや個別の注意喚起を行っているが、ウクライナ侵略をめぐる義勇兵の実態は把握しきれていない。

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