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岩本勉 どの口が言うとんねん ソフトバンク移籍で波紋の上沢直之、プロとしては当然の判断 開幕戦、批判と向き合い日本ハムのホームで投げる姿を見たい

zakzak by夕刊フジ 2025年1月15日 15時30分

最終回

まいど! わが古巣ファイターズにとってこのオフ最大のニュースは、上沢直之投手(30)のソフトバンクへの移籍でしょう。わずか1年で米大リーグでの活躍を諦め、日本での復帰先にポスティングシステムで送り出してくれた日本ハムではなく、条件で上回るライバル球団を選択した決断はファンを中心に波紋を呼びましたが、プロとして当然の判断だと断言します。

日本ハムからのオファーは1年契約の1億7000万円と米移籍前から据え置き。対するソフトバンクは4年契約で総額10億円と破格の条件でした。日本ハムは先発投手陣の充実や若手への切り替え方針から大型条件の提示には至らず、先発の充実を図りたいソフトバンクは好条件を出したという構図。これだけの差があれば、私が上沢の立場でもソフトバンクを選びます。

日本ハムは徹底してマネーゲームはしないという確固たる方針を貫く。これは功労者であろうとも変わることはありません。新庄剛志監督(52)は先日、「悲しい、一緒にやりたかった」とコメントしていましたが、あくまで監督としてファンの心情に寄り添ったコメントをしたのだと思います。プレーヤーとしてなら、上沢の選択は理解しているでしょう。そもそも一緒にプレーしたかったのなら直接口説きに行き、フロントに対しても「もっと条件を上積みしてくれ」と頼むこともできたはずです。

帰国後に日本ハムの施設を使って練習をしたことやイベントに出席したことをやり玉に挙げる向きは、復帰してくれるとの期待を逆なでされたと感じているのでしょう。しかし、これも感情論です。施設を使った時点でオファーが出そろっていなければ、古巣からの厚意を断ることが難しいことは想像がつくのではないでしょうか。

しかし、これで今季のパ・リーグには大きな見どころができましたね。上沢には首脳陣からの提案ではなく自分から志願して、日本ハムのホーム開幕戦となるエスコンフィールド北海道での4月1日の試合で先発してもらいたい。ファンがチームを愛しているがゆえに浴びせられる批判と向き合い、ホークスのユニホームで投げる姿を見せることでケジメをつければいいのです。序盤戦最大の見せ場でしょう。

一方で日本ハムは戦力の見通しがつき、いよいよリーグ制覇を狙える陣容となってきました。キーマンは開幕投手に指名された金村尚真投手(24)と4番に指名された野村佑希内野手(24)。この2人が投打の主力として1年間回ることができれば、エースの伊藤や山崎、野手陣でも万波、清宮、レイエスらの既存戦力に大きな上積みとなります。相乗効果でプラスのスパイラルが生まれれば、ソフトバンクに十分対抗できる可能性を秘めており、優勝は現実的な目標です。

さて、当コラムは夕刊フジの休刊に伴い今回が最終回。新庄監督の就任間もない2022年1月から始まり、悲願の初Vを見届けられないまま終わるのは心残りですが、丸3年の長きにわたりご高覧いただき誠にありがとうございました。読者のみなさまの末永いご繁栄をお祈り申し上げます。 (元日本ハム投手) =金額は推定

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