西武は29日のロッテ戦(ZOZOマリン)に8―0で勝利、開幕から続いたプロ野球ワーストの同一カード連敗記録を「16」で止めた。
負ければクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性も消滅する崖っぷちの一戦。2015年にア・リーグで最多勝&サイ・ヤング賞に輝いた相手先発、ダラス・カイケル投手(36)から初回に4番・佐藤龍世内野手(27)の2ランで先制すると6回、9回にも効果的に追加点を奪い試合の主導権を手放さなかった。
試合前に「1勝しないと始まらないよ!」と選手を鼓舞した渡辺久信GM兼監督代行(59)は、8月も終わろうかという時期にロッテ戦初勝利を挙げたチームに「プロで戦っている以上、本当はあってはならないこと。恥ずかしい…」と神妙。ロッテ戦が8試合も残っていることを聞かされると「まだそんなにあるの?」と苦笑し、「次からも1つ1つ勝つしかない」と前を向いた。
だが1979年の所沢移転後ワーストとなる78敗を喫したチームの受け止めはさまざまだ。球界では通常なら、球場までのルートを変える、食事のメニューを変えるといったゲン担ぎを行うもの。ところがチーム関係者からは「ゲン担ぎどころじゃない。そんな次元の話じゃなかった」と、もはや神頼みなどと言っていられる状況ではなかったと明かす。
「うちは負け癖がついてしまって『今日こそ勝つぞ!』とかはないですよ。いつもと何ら変わらず試合をしていましたね…」と淡々と語る者も。あまりに負け過ぎて、1つ勝ったところで気分は晴れないようだ。 (山戸英州)
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ロッテ―西武17回戦(ロッテ16勝1敗、18時、ZOZOマリンスタジアム、2万4903人)
西 武200002004-8
ロッテ000000000-0
(勝) 渡辺13試合2勝4敗
〔敗〕 カイケル3試合1敗
(本) 佐藤龍4号②(カイケル)