阪神で2年連続開幕投手の青柳晃洋(30)がポスティングシステムを利用し、メジャーリーグ移籍を目指すことを5日、表明した。
初の最多勝を獲得した2021年オフから米挑戦の意向を伝えてきた青柳は「わがままを後押ししてくれて感謝しかない。体が元気なうちに挑戦したい。野球選手として後悔がないように」と意気込み。21年の東京五輪出場をきっかけに米挑戦を志したといい「全く通用せず悔しかった。別の野球があるのなら、経験してみたいとずっと思っていた」と明かした。
しかし、この2年間は不調で、特に今季は長期の2軍落ちも食らわされ、わずか2勝…。正直、前途洋々とはいかないが、青柳は「もちろんメジャー契約で行けたらベストですけど。そんなに甘くないし、こだわりはない。実力さえあれば上がっていけると信じていきたい」とマイナー契約も辞さない不退転の決意を語る。
そんな青柳に複数のOBから「今のままでは制球力に不安が残る。藤浪(オリオールズFA)も結局それで苦労して失敗している」と当然ながら疑問の声も聞かれた。
しかし、別のOBは「藤川監督もベテランの領域に入る青柳が来季も不振なら、実際その扱いには困るはず。その意味ではお互いウィンウィン」と指摘。「青柳は藤浪と違ってたたき上げの苦労人だし、自分のことはわかっている。本人がいう〝クオータースロー〟の変則投法は向こうでは珍しいし、通用するかも。制球力が…と言っても向こうは日本の打者よりもボール球を振るし、ストライクゾーンも広い」と力説した。
過去に阪神の投手は井川慶、藤川球児(現監督)、藤浪晋太郎がメジャーで苦戦しているだけに「向こうで活躍できなかっただけに、成功してほしい」とエール。〝阪神の投手は海外で通用しない〟という「ジンクス」を打破できるか、注目だ。 (岩﨑正範)