巨人・岡本和真内野手(28)が3日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億2000万円アップの来季年俸5億4000万円(推定)でサイン。シーズン中からつかみどころのない話術で番記者たちを翻弄してきた主砲は、真顔で「24年契約」を主張し続けたが、米大リーグへの思いを聞かれた途端に表情を一変させた。
「契約年数は24年です。金額は1億円。ウソじゃないです。ウソついているみたいに、やめてくださいよ」。開口一番の〝岡本節〟を真に受けるなら、52歳まで現役を続けることになる。報道陣に困惑の色が広がるのをよそに、本人は「24年後ってかなりおっちゃんなんですけど、それでもプレーヤーとして評価していただいた。さすがに『10年にしといたほうがいいんじゃないですか?』って言ったんですけど」と畳みかけた。
ところが、話題が契約内容からメジャー移籍に移ると態度一変。「昔から憧れていた場所でもあるし、目標にしている場所でもある。野球をしていたら、そういう目標はみんな持っていると思うし、僕もその1人」と真摯に返答したのだった。
今オフのポスティングを介した渡米の可能性も取り沙汰されてきたが、今季復活の15勝を挙げたエース菅野の海外FA権行使によるメジャー挑戦を球団は優先。投打の柱の同時流出を避けるべく強い慰留を受けた岡本は、1年先送りに至ったとみられる。
前日2日には、打撃タイトルを争ってきたヤクルト・村上が来オフのメジャー挑戦を明言。親交の深いライバルと同じタイミングで海を渡ることになるのか。岡本は「そのへんは皆さんのご想像にお任せっていう感じ」とけむに巻きつつ、最後の最後で明かした「単年契約」に来オフへの強い決意をにじませた。 (片岡将)