中日・立浪和義監督(55)が18日の阪神戦(バンテリンドーム)の試合後、成績不振の責任を取って今季限りで退任する考えを明かした。
「結果を出さないといけないところで結果を出せなかった。監督が責任を取るのは当然」。この日敗れて54勝72敗8分けとなり、勝ったヤクルトに代わって最下位に転落。試合後に球団側に辞意を伝えたという。
昨季は球団初の2年連続最下位の屈辱に沈み、勝負の年と位置付けて臨んだ今季、切り札は巨人を退団して新加入した中田翔内野手(35)だった。2年総額6億円(推定)の大型契約について、球団の有力OBは「立浪監督が彼と心中することを意味する」と断言。潤沢でない補強予算を、近年は故障がちなベテランにほぼ全投入する形となり、シーズン中に主力のケガや新戦力の不振などの誤算が生じても、緊急補強での手当ては困難に。同OBは「そのまま転げ落ちるしかない。大きな賭けに出たが本当に大丈夫なのか…」と警鐘を鳴らしていた。
心配をよそに中田は開幕から4番で起用され、3・4月は打率・283、2本塁打、12打点と勝負強い打撃で期待に応えたが、5月以降は腰痛などで不調に。OBの不安は現実のものとなり、5、6月に続いて8月9日には今季3度目の2軍落ち。再昇格できないまま〝Xデー〟を迎えた。
ここまで62試合で打率・217、4本塁打、21打点。立浪監督が進退を懸けて補強した切り札としては、あまりに寂しい数字だ。3年前の就任会見で「打つ方は何とかします」と自信をのぞかせた指揮官は、中田の不在を感じさせないほど打てる若手をそろえられず、球団の長年の課題である貧打を克服する筋道も示せないまま、チームを去る。 (山戸英州)
中日―阪神25回戦(阪神15勝7敗3分、18時、バンテリンドームナゴヤ、3万6283人)
阪 神 010200104-8
中 日 000200001-3
(勝) 村上23試合7勝9敗
〔敗〕 高橋宏20試合12勝4敗