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ニュース裏表 平井文夫 人気の石破氏は本当に強いのか? 安倍政権批判、目立つリベラルな発言 決選投票は進次郎・コバホーク対決の予感 自民総裁選

zakzak by夕刊フジ 2024年8月29日 6時30分

自民党総裁選(9月12日告示、同27日投開票)は、小林鷹之前経済安保相(49)に続き、石破茂元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)が出馬表明した。この後も、すでに推薦人20人を確保したとみられる小泉進次郎元環境相(43)、茂木敏充幹事長(68)、高市早苗経済安保相(63)、上川陽子外相(71)らが名乗りを上げる予定だ。

週末に行われたメディア各社の世論調査で、誰が次の総裁にふさわしいか聞いたところ、石破氏と小泉氏がトップでほぼ並ぶ結果となった。

自民党支持層に限ると小泉氏がやや優勢。また、全体で3位につけている高市氏が自民党支持層ではトップ2人に迫る勢いである。

総裁選の1回目の投票は、党員票と議員票がともに367票で争われるため、国民に人気の高い石破、小泉両氏の2人がワンツーフィニッシュする可能性がある。

一つ気になるのは、石破氏の最近の発言である。「アベノミクスの功罪について評価する時期が来た」「女系天皇の可能性排除はどうなのか」「選択的に姓を選べるべき」など、安倍晋三政権を批判し、リベラルな発言が目立つ。

さらに25日、裏金問題で処分された安倍派議員らについて、「国民の審判を受けるにふさわしい候補者か、党として責任を持つ」と述べて非公認の可能性を強調した。

いずれも次期総選挙に向け、無党派層も含めて支持のウイングを広げようという意図だと思うのだが、安倍派議員をはじめとして党内からの反発も強い。石破氏としては、「決選投票になればおそらく議員票で不利になるので、1回目で一気に勝とう」という作戦だろう。ただ、2回目に残れない可能性もあると思う。

問題は、小泉氏がどういう政策を出してくるかだ。党員票で石破氏とトップを分け合うのなら、議員票を意識して「おとなしめ」にする可能性がある。

もう一つ気になるのは、高市氏の人気の高さである。

高市氏とともに保守系である小林氏のどちらかが決選投票に進んだ場合、2人が政策の共通点により連携すればかなりの数になる。

加えて、もし小林氏が残り、相手が小泉氏だった場合、陣営に麻生派の重鎮である甘利明元幹事長(74)がいるので、小泉氏の後ろ盾である菅義偉前首相(75)とは合わない麻生、岸田の主流両派が小林氏に乗ってくる可能性がある。

一方で、菅氏は20日、茂木氏と2人で中華料理を食べた。これは怪しい! 菅氏は二階俊博元幹事長(85)とも会っている。

派閥が「消滅」した今回の自民党総裁選は、「好きな人が出て、好きな人を推す」という体(てい)になっている。1回目の投票で決まらなければ、議員票367票、党員票47票の決選投票になるので、すでに水面下で「折衝」が行われているようだ。

今回の総裁選は長い。まだあと1カ月もある。本格的な政策論争はこれからだし、失言やスキャンダルも出てくるだろう。ただ、決選投票は「シンジローvsコバホーク」の若手対決というのが最も盛り上がるだろうな。 (フジテレビ特別解説委員・平井文夫)

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