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あなたも物語の一員に!?「イマーシブ演劇」最前線 食事に〝ドラマ付き〟人の温かさ感じられる「演劇ごはん」 アンケートで物語が枝分かれ…観客を巻き込んだ物語が展開

zakzak by夕刊フジ 2024年7月11日 6時30分

カフェやレストランなどで「料理が主役」のイマーシブシアター(体験型演劇)を展開しているのは「演劇ごはん」だ。

単純に飲食店で演劇をするのではなく、エンターテインメントを通して「食への思い」を届けたいと、2015年に個人事業としてスタート、17年に株式会社化した。

店の趣に合わせて物語を変え、結婚式場が併設されている店では、急遽(きゅうきょ)結婚パーティーに観客が参加するという設定の物語が展開され好評を博した。

現在、ナポリピッツァ店「マッシモッタヴィオ」で月1回開催しているのが、「クアトロ de 演劇ごはん『隣のテーブルのふたり』」。15年の旗揚げ作品にして傑作と人気が高いシチュエーションコメディーだ。

店員にふんした役者が店の客である観客に話しかけながら芝居はスタート。客の男女2人にフォーカスを移しながら、観客を巻き込んだ物語が展開されていく。

登場人物が自分で決断できず、観客にアンケートを取り、その場でストーリーが枝分かれするなど、役者が観客とコミュニケーションを丁寧に取っているのも特徴的だ。

基本的に物語に則していればおしゃべり自由としており、それに演者側が影響を受けて展開させるので、役者にはハードルが高い。特に子供は容赦がなく、大盛り上がりした回もあったという。

そして物語の展開に沿って提供される食事は、今回は一度に4種類を少しずつ楽しめるピッツァ。温かいものを温かいまま出すのは大変な状況だが、そのこだわりは強く、食に寄り添っているのがひしひしと伝わる。

おひとりさまやカップル、ママ友や家族など、演劇だけでなく食事もセットなのが人気で、幅広い層が足を運んだり、客同士で交流しやすいのも特徴の一つ。また、終演後は役者がテーブルを回って会話ができるので、それも喜ばれている。

代表の小濱晋さんは「演劇を見に行くハードルは高いと思いますが、飲食店にご飯を食べに行くとドラマが付いているといった感覚で来ていただければ。人とのつながりや温かさを感じられる場所の一つとして考えていただけるとうれしいです」と楽しみ方を語る。 (佐藤栄二)

■次回開催 8月5日(月)、「マッシモッタヴィオ」(東京都杉並区永福4の4の4 永福町ファイブビル)。9月の日程は7月中旬にHP(https://engeki-gohan.jp/)で発表。

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