大相撲初場所 13日目=24日、東京・両国国技館
初の綱取り場所に挑んでいた大関琴桜(27)=佐渡ケ嶽=がまさかの負け越し。次の春場所(3月9日初日・エディオンアリーナ大阪)は大関7場所目で初のかど番となる。
西前頭14枚目の金峰山(27)=木瀬=にいいところなく突き出しで敗れ8敗目。取組後は付け人が報道陣を制し、ノーコメントだった。
九重審判長(元大関千代大海)は「気持ちが最後の塩で振り向いたときの顔と、相撲がかみ合ってない。肩を落とす琴桜が今場所は目に焼き付いている」とズバリ指摘。横綱審議委員会稽古総見では、大関同士の対戦でいきなり7連敗など3勝10敗と精彩を欠き、場所が始まると2日目から5連敗を喫し、途中から締めこみを黒に替えて心機一転を図ったものの、一度狂った歯車を最後まで修正できなかった。
そんな琴桜に九重審判長は「優勝の後のかど番って、よくあるんですよ。私もそうでした。地に足がつかないようなことがある」と同情した。歴代最多となるかど番13度の千代大海は、1999年初場所後に初優勝し大関昇進も、翌春場所は3勝で11日目から休場。「先場所の絶好調を体は覚えているけど、それに気分が追いついていかない。負けが込みだすと〝先場所は何だったんだろう?〟と自分を責めてしまって。ああなると立て直すことは難しい。3敗まではよかっただろうけど、5敗になるとバラバラだった」と心中を察した。
今場所の苦い教訓を糧に、巻き返したいところだ。 (塚沢健太郎)