盛況を極めていた。男子ゴルフで唯一、日本開催の米(PGA)ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・アコーディア・ゴルフ習志野CC)が27日に閉幕した。
米ツアー10勝、パリ五輪銅メダリストの松山英樹(32)の凱旋、今季メジャー2勝のZ・シャウフェレ、同じくメジャー2勝を含むツアー15勝のJ・トーマス、ツアー6勝で日本でも人気のR・ファウラーら実力者がそろった。
ギャラリーの声があった。「これだけのメンバーならお金を払っても惜しくないです」。最終日の〝お気軽〟1日券は2万8000円だったが、1万1062人。〝本物〟に酔っていた。4日間のギャラリー総数は3万4276人。T・ウッズが優勝した2019年の4万3777人には及ばなかったが、大会史上2番目の動員(日本開催5度)だった。
選手も刺激を受けた。今大会を含め4度目の出場の石川遼は、「ZOZOを目標にする選手が多い。一緒に最高峰でプレーすることでより刺激を受け、PGAを身近に感じ、海外を目指す選手が増えた」と。一発勝負で勝てば即、PGAメンバー、魅力である。22年大会で12位の久常涼は、その直後のDP(欧州)ツアー予選会を経て、今季はPGAメンバーになった。今、久常の背中を見て星野陸也、中島啓太らが後を追っている。
今大会で日本勢最上位6位タイの杉浦悠太ら海外志向が強い選手は多いが、「ZOZO」は今季で6年契約が終了した。PGAは新たなスポンサー探しに奔走していると聞くが、来年以降の日本でのPGA開催は未定だという。選手のモチベーションが下がる?!
いやいやギャラリーだって悲しい?! 「ZOZO」にいたファンの声は続いた。「『リッキー!(ファウラー)』って声をかけるでしょ。ニコッと笑って手を挙げ、ちょっと指先でポーズを取る。格好いいんだよね。技術だけじゃない」。日本選手はシャイ?! そこまではしない。
ちなみに国内男子は今季18大会開催され、1大会平均のギャラリー総数は1万1054人。「ZOZO」には遠く及ばない。国内男子は来週11月7日開幕「三井住友VISA太平洋マスターズ」を含め残すは4大会。石川遼は「今、日本の若手はレベルが高い選手がたくさんいる。目の前で見てもらえればわかる」というが、果たして。〝祭りの後の寂しさ〟ではむなしい…。 (産経新聞特別記者・清水満)