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トランプ氏の次期政権人事〝対中シフト〟鮮明 ポンペオ氏、ハガティ氏、ワイルズ氏…コロナワクチン懐疑派・ケネディ氏起用案も

zakzak by夕刊フジ 2024年11月11日 6時30分

米大統領選に勝利した共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は、政権移行に向け、閣僚など主要ポストの選任を進めている。安全保障や経済などの重要閣僚候補には対中国強硬派も多く、専門家はトランプ次期政権で「中国封じ込め」が加速するとの見方を示す。

まず、トランプ陣営の選対本部長を務めたスーザン・ワイルズ氏(67)を女性初の大統領首席補佐官に起用することが決まった。

国務、財務、商務各長官や通商代表など重要閣僚の有力候補が、ウィリアム・ハガティ上院議員(65)だ。前回の政権時に駐日大使を務めたこともあり、日本とのパイプ役も期待される。2022年北京冬季五輪では、人権問題などを理由に、政府要人が参加しない「外交的ボイコット」を日本に呼びかけた。

国務長官候補では、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたロバート・オブライエン氏(58)も有力だ。今年6月、米外交誌で、米中の「デカップリング(切り離し)」を主張した。駐ドイツ大使を務めたリチャード・グレネル元国家情報長官代行(58)の名前も出ている。

国防長官には、中央情報局(CIA)長官や国務長官を歴任したマイク・ポンペオ氏(60)が筆頭格との見方もある。国務長官当時、「中国がウイグル人に対してジェノサイド(集団虐殺)を行っている」と認定した。

イラク・アフガニスタンに従軍したトム・コットン上院議員(47)や、マイケル・ウォルツ下院議員(50)のほか、上院外交委員会の主要メンバーのマルコ・ルビオ上院議員(53)も国務または国防長官の候補だ。

財務長官は、前回政権で通商代表部(USTR)代表を務め、対中制裁関税を指揮したロバート・ライトハイザー氏(77)が最有力とされる。政権移行チームを率いる富豪のハワード・ルトニック氏(63)の名も挙がる。

経済顧問を務めるスコット・ベッセント氏(62)の政権入りの可能性もささやかれる。世界的投資家、ジョージ・ソロス氏の側近とされ、「ウォール街で最も頭が切れる男の一人」と報じられたこともある。

大統領選から撤退し、コロナワクチン懐疑派としても知られるロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)に公衆衛生を担当させる案も浮上する。選挙戦を側面支援した実業家、イーロン・マスク氏(53)を閣僚に起用するかどうかも注目されている。

米国政治に詳しい早稲田大学公共政策研究所招聘研究員の渡瀬裕哉氏は「現在浮上している顔ぶれをみると、トランプ次期政権は、中国を『米国に追い付けない国』にすることを最重要課題にするのではないか。注意すべきなのはあくまで『自国第一』政策の一環だということだ。『中国の敵の敵』として日米関係は良好になるが、アジアの問題について米国が日本に依存してくることも予想される。日本は受け身ではいられない」と指摘した。

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