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バズる関西トレンド 「KITTE大阪」開業 歴史と文化を感じる新たなランドマーク 旧大阪中央郵便局舎の一部を移設、地域アンテナショップの誘致も

zakzak by夕刊フジ 2024年8月9日 15時30分

JR大阪駅の西側に位置する旧大阪中央郵便局跡地に7月31日、「KITTE(キッテ)大阪」と「大阪ステーションホテル」、劇場、オフィスの機能を備えた大型複合施設「JPタワー大阪」が開業した。この日、KITTE大阪と南北の通路でつながる「イノゲート大阪」と飲食ゾーン「バルチカ03」も開業し、梅田の新たなランドマークとして期待が高まっている。

新設されたJR大阪駅西口改札を出て左に進むとKITTE大阪を象徴する1階アトリウム空間が広がる。広さ約600平方メートル、高さ22メートルの吹き抜け空間の北側3層分は、1939年に建てられた旧大阪中央郵便局舎の一部を曳家(ひきや)という手法で移設したもの。日本郵政不動産が運営する2階の「@JPカフェ」では、当時の床をそのまま再利用し、照明は創建時のデザインを再現した。窓の向こうにはJR神戸線の車両を間近で見ることができる。

KITTE大阪の2階には、大丸梅田店からつながる歩行者デッキからもアクセス可能だ。日本各地のアンテナショップが集結する2階には、北陸3県や宮崎県、和歌山県湯浅町、岡山県倉敷市、高知県などが出店。物産や観光を中心に地域の魅力を集め、日本の良さを発見したり、再認識できる場所となっている。「大阪駅周辺は日本有数の激戦区。われわれが得意とする地域の情報ネットワークを生かせるテナントとして地域のアンテナショップを誘致した」(日本郵政不動産・開発本部商業施設室グループリーダーの平岡大典氏)。

飲食フロアも充実している。地下1階の横丁ゾーン「うめよこ」は〝大人のたまり場〟がコンセプト。「すし酒場・さしす」「たこ焼き発祥の店・会津屋」など地元大阪の人気店や、沖縄の「ポーたま」など関西初出店を含む17店舗が出店する。4~5階のレストランフロアには、シンガポールの「東寶(ドン・バオ)」が日本初上陸したほか、高知の藁焼き鰹たたきの「明神丸」、名古屋の「ワンランク上の世界の山ちゃん」などが関西初出店した。

418室全室が30階以上という「大阪ステーションホテル オートグラフ コレクション」は、1874年に開業した初代大阪駅の地に誕生。29階のフロントは昔の駅の改札を模したアイランド型デザインが印象的だ。ロビー中央の「ウォーターステーション」では真鍮(しんちゅう)の蛇口でふるまい水が提供される。客室の番号表示には鉄道信号機の合図灯、ドアノブにブレーキハンドルを採用するなど随所に鉄道のモチーフがちりばめられているのも見逃せない。

「先代が紡いできた歴史と文化を継承しつつ、新しいホテルの歴史を作っていくために新たな取り組みをしていきたい」と、佐藤伸二総支配人。ウエルカムサービスの「飲む出汁」と「黄金糖」にも思いが込められている。 (フリーライター・橋長初代)

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