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有本香の以読制毒 日本保守党、2年目の誓い 大与党の「巨象」へ国民の怒り 〝日本を豊かに、強く〟衆院選に備え「ドブ板活動」全国に

zakzak by夕刊フジ 2024年9月3日 6時30分

ちょうど1年前の昨日(9月1日)、政治団体「日本保守党」は産声を上げた。結党パーティーを開催して、地域政党「減税日本(代表・河村たかし名古屋市長)」との連携を発表したのは10月17日だったが、政治団体の届け出をしたのが9月1日だった。

つまり結党記念日である。

ちなみに、昨年の9月1日、10月17日は、いずれも大安吉日。党員募集を開始した9月30日も大安だった。

そんな迷信に頼るのかと、意識高い系や進歩主義者の皆さんには叱られるかもしれないが、「日本の伝統文化を大事にしよう」という日本人の政党なので、日を選ぶのは当たり前の仕草(しぐさ)だ。

昨年の8月31日、夕刊フジは1面に「あす9月1日 第一声 百田新党」という大見出し付きで拙稿を掲載してくれた。以来、何度も記者の方々が取材をして、好意的な記事を書いてくれた。

党の当事者(事務総長)として深く感謝している。同時にこの幾多の記事は、かつて石原慎太郎氏や安倍晋三氏の発信を取り上げてきた、夕刊フジという保守メディアの雄が、日本の政治の現状を深く憂えている証左でもある。

自民党の左傾化は、当の議員らに自覚がない分、重症と言っていい。LGBT理解増進法の何が問題か、今でも多くの議員が分かっていない。「理念法だから問題ない」「罰則がないから…」というが、理念だからこそ大問題だ。

その理念が、司法や教育、自治体の条例など、社会のあらゆるところに影響する。このリスクを予見できない者に政治家の資格はない。「理念」をお題目としか考えていないことを自白したようなものだからだ。

日本保守党がこの1年で得たものは多い。

6万数千人の党員(=これは一部国政政党より多い)、4つの支部、10人の優れた地方議員、若干名の頼れるスタッフ。さらに日本保守党の「マスコット」的存在にもなっている街宣車「ブルーサンダー号」だ。

地方議員選挙では1人の公認候補が初当選し、国政選挙では結果こそ残念なものに終わったが、衆院小選挙区の補欠選挙に総力戦で臨み、世間から「善戦」といわれる票をいただいた。

この得たものを、今後にどう生かすかが問題ではある。

現在、日本保守党では「全国キャラバン」を展開中だ。代表の百田尚樹、私を含む党執行部のメンバーが地方へ出向いて街宣活動をしている。

8月31日は北海道札幌市の大通公園で、約1時間の演説と握手を行った。数日前の控えめな告知、当日は雨模様だったにもかかわらず、1000人を超える聴衆にお集まりいただいた。前週の愛知県豊橋市、群馬県高崎市でも駅前が人々で埋め尽くされ、現地の方々に驚かれたほどの盛況だった。

われわれにとっては、「自民党王国」と言われる群馬県や、初上陸の北海道でのこの成果は望外の喜びだ。ただ、メディアで報じられないため、世間には知られていない。

いわば「地味な活動」だが、地道な活動。目指すは全国規模のドブ板活動だ。百田代表も私も、それを厭(いと)う気は毛頭ない。

1年前、「百田や有本は、メディアやネットの人間だから、街に出て人に頭を下げるなんて無理に決まっている」と陰口をたたいた方々には悪いが、われわれは度胸だけはあなた方の思う何倍もあり、一人ひとりに直接語りかけることの宣伝効果の高さをも知っている。

とはいえ、1年前に言ったとおり、大与党という「巨象」の前では、日本保守党は「蟷螂の斧(とうろうのおの)」に過ぎない。その割には、一部与党支持者に目の敵にされたり、妨害の標的にされたりしているが、「日本を豊かに、強く」するための少々の困難だと思えば苦にもならない。

巨象ではあるが、2020年1月以降、元職を含む国会議員十数人が起訴された自民党。この腐敗に、国民の怒りが沸き立たないはずがない。

近いといわれる衆院選に向けて、保守党は愚直な活動を続けていく。目指すは、一人でも多くの有権者の「選択肢」となることである。

ありもと・かおり ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

日本保守党の百田代表(円内)と、同党の札幌市での街頭演説に集まった人々=8月31日(画像処理しています)

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