自民党の派閥裏金事件を受けて、衆院選で「非公認」となった候補が代表を務める党支部に党本部から2000万円が支給されていた問題で、無所属で立候補している前職の萩生田光一氏は25日、2000万円を指定された口座に返金したと明らかにした。X(旧ツイッター)で「振り込み時期や金額が誤解を招く可能性があると判断した」と理由を説明した。
石破茂首相(自民党総裁)は25日の青森県黒石市での演説ではこの問題に触れず、「政治とカネ」批判に注力する野党について「無責任な人たちに日本の国を任せては絶対にならない」と訴えた。
だが、自民党執行部の対応は、選挙戦の最終盤で野党に絶好の攻撃材料を与えた。
産経新聞社とFNNが24日に実施した情勢調査では、これまで接戦だった小選挙区で自民、公明両党の苦戦が目立った。自民前職の陣営幹部は「接戦区では敗因になりかねない」と嘆いた。
公明党の石井啓一代表は「誤解が生じないよう、丁寧に説明をしてもらいたい」と自民党に注文を付けた。