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ニュース裏表 平井文夫 〝進次郎首相〟で大丈夫か 保守かと思えば夫婦別姓に賛成 次の「選挙に勝てる」という「願望」も 政策論争しなきゃダメだ

zakzak by夕刊フジ 2024年9月5日 6時30分

自民党総裁選(12日告示、27日投開票)は、小泉進次郎元環境相(43)がまだ正式な出馬表明をしていないにも関わらず、現状では優勢のようだ。メディア各社の世論調査では1位をキープしてきた石破茂元幹事長(67)に追いつき、自民党支持層では差を広げている。

総裁選の1回目の投票は「議員票367票、党員票367票」だが、もし、10人が立候補すれば推薦人だけで議員票は200票。本人を入れると210票となり、残りの「浮動票」は157票しかない。

人気の小泉、石破両氏で党員票の半分180票を取るとしたら1人90票。この90票は大きい。この2人以外が決選投票に残るのは、なかなか大変だ。そして、小泉氏のバックには菅義偉前首相がいる。この人は2012年の総裁選で不利と言われた安倍晋三元首相を勝たせた「総裁選請負人」なので手ごわい。

小泉陣営のある秘書からは「どう数えてもウチが勝てる」という話も聞いた。これは議員、党員ともに、このあとすぐに行われるであろう衆院選で小泉氏が「選挙の顔」になれると思っているからだ。

一方で、小泉氏の「経験不足」「力不足」を懸念する声もある。

8日31日発行の夕刊フジでも、評論家の八幡和郎氏が「(次期首相は)予算委員会などの国会論戦で追及を受けるなど失策のリスクもある」として、来年7月に選挙が行われる参院では、小泉氏に対して「懐疑的な議員も多く」「相手にもよるが、進次郎氏が決選投票でも圧勝とはならないのではないか」と指摘している。

小泉氏はこれまで閣僚は環境相しかやっておらず、どういう政策思考の持ち主なのか、実は私もよく知らない。靖国神社に参拝して憲法改正にも積極姿勢を見せているので「保守」かと思えば、夫婦別姓には賛成らしい。また、菅氏や河野太郎デジタル相(61)らとともに「再エネ優先」を打ち出している。それくらいしか分からない。

だから総裁選の政策論争を早く聞きたいのだが、前回総裁選に出馬した河野氏や、高市早苗経済安保相(63)はじめ論客揃いで、小泉氏の「力不足」が露呈するのではないかとの見方もある。

ただ、8人も10人も出れば正攻法の議論にはならず、下手すると「イエス、ノー方式」になるかもしれない。そうすると、小泉氏の「力不足」はバレない、いや分からないままだ。

小泉氏の父、純一郎元首相が「自民党をぶっ壊す」と叫んで一世を風靡(ふうび)したのは2001年の総裁選だ。あの時に、東京都足立区のJR北千住駅前の街頭演説に、ものすごい数の聴衆が集まった中継映像を見て、「これは革命か?」と思ったことを覚えている。

あの時ほどの国民の熱狂は今回はない。むしろ自民党議員の「進次郎なら選挙に勝てる」という「願望」の方が表に出ていると思う。

だから自民党の国会議員の皆さんは政策論争を聞いて、「誰がリーダーにふさわしいのか」を冷静に判断した方がいいと思う。 (フジテレビ客員解説委員・平井文夫)

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