巨人・高梨雄平投手(32)のインタビュー連載第2回。消耗品とされる肩をすり減らしながら、プロ入りから8年連続で40試合以上登板してきた中継ぎの鉄人は、どのような準備を経て試合に臨んでいるのか。 (片岡将)
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――試合日のスケジュールは
「試合開始の6時間前、ナイターなら昼12時過ぎぐらいに球場入りして、シャワーを浴びる。それからコーディネーション系という、体を上手に動かすトレーニングで関節や筋肉の動きをチェックします。まっすぐ立てているかとか、ストレッチポールを使ったエクササイズだったり、アニマルフローという動物の動きを取り入れたトレーニングもそう。午後1時半ぐらいまでやって、着替えてグラウンドに出て午後2時から全体練習ですね」
――試合が近づくと
「全体練習ではそれぞれ時間の使い方が違うんですけど、僕は長めです。ホームなら午後3時半くらいに練習を上がって、シャワー浴びて食事をとります。それからミーティングと仮眠。トレーナーさんのトリートメント治療を受けて、4回とかにブルペンに行く」
――ブルペンでは
「ゲームを見ながら、体を動かしながら展開を読みつつ、出番が早そうだとなれば早めに肩を作る。出番はなさそうだとなればゆっくりしたり」
――同僚の船迫大雅投手は「年間130試合で肩を作っている」と
「僕と船迫は作る回数が多い。早いと4回からで、ゆっくりなら6回。1日3回くらい作るので」
――かなりの労働量
「だから続けて活躍する選手が出ないとも言える。とはいえ、僕が1年目の時よりはやっぱり管理の体制は出来上がっている。入ってきたときは絶対1回は作ることがまず確定してるチームもありました」
――前所属の楽天時代とか?
「とか、ですね。投手コーチによるんですけど、絶対まずは1回作りなので、143試合あれば143回作るのがまず確定です。それは結構きついなっていうのはありますね。でも、そういう時代でもなくなってきてるのは確か。作るのは2回ぐらいで抑えようというというのが浸透してきている」
(あすに続く)
■高梨雄平(たかなし・ゆうへい) 1992年7月13日、埼玉県川越市生まれ。川越東高、早大、JX―ENEOSを経て2016ドラフト9位で楽天入り。20年途中にトレードで巨人移籍。入団1年目から8年連続、救援のみで40試合以上に登板。通算428試合で防御率2・47。175センチ、86キロ。左投左打。来季年俸1億5000万円(推定)。