今年の大みそかのNHK紅白歌合戦で、旧ジャニーズ勢が所属するスタート・エンターテイメント社のタレントの出場が絶望的になったことは、NHK局内の複雑な温度差が一因になったとみられる。
昨年の紅白は、旧ジャニ勢がゼロになり、非ジャニ系のボーイズグループが多数出場した。しかし肝心の視聴率は伸び悩んだ。
「NHKは故ジャニー喜多川氏の性加害問題を重くみて、スタート社に移った旧ジャニ勢の番組起用を約1年にわたって差し止めていましたが、先月解禁しました。スマイルアップ社の取り組みを評価してのことですが、スタート社のタレントの紅白出場が視野に入ったわけです」と音楽関係者は話す。こう続ける。
「NHK側は2組の出場を見込んでいたそうです。過去のジャニ勢は5~6組は出場していたわけですから、スタート社側はもう少し数を増やすように交渉していたといわれていますが、少なくとも出場については前向きだったのです」
しかし風向きが変わったのは、出演解禁の発表後にNHKスペシャル「ジャニー喜多川〝アイドル帝国〟の実像」が放送されてからだ。
「被害を訴えていた元タレント(故人)の姉に対するスマイル社の補償本部長の電話対応が『不遜すぎる』として物議を醸しました。結局、この本部長は解任されましたが、NHK側との間に遺恨が残りました。ある意味、スタート社の出演再開に対するみそぎのような位置付けともとれる番組でしたが、こうした内容になったのも、NHK側も制作局と報道局では旧ジャニーズの性加害問題にかなり温度差があったせいです。旧ジャニ勢のタレントも〝NHKはいったいどういうつもりだろう〟と不信感を抱いてもおかしくありません」と週刊誌記者は指摘する。
旧ジャニ勢の調整が難航し出場者の発表は予定よりも1週間近く遅れているとされる。果たしてどのような顔ぶれとなるのか。