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室谷克実 深層韓国 左翼の狙いは〝閣議を不能に〟危険な分水嶺で揺れる韓国 世論調査「尹支持率40%」に大ショック、民主党が「弾劾中毒」ぶり発揮

zakzak by夕刊フジ 2025年1月10日 6時30分

「韓国の成熟した民主主義」などという〝トンデモ幻想〟を振りまいてきた日本メディアの責任者、ここに出てこい―。そう糾弾したくなる韓国の現状だ。その中でも着々と進んでいるのが、政府機能を無力化させ、次期大統領選を待たずに、国会で多数を占める最大野党「共に民主党」の独裁体制を樹立してしまおうという左翼勢力の戦略だ。

ただ、ここへきて「保守結束」「反民主党」の動きがにわかに高まってきた。韓国は危険な分水嶺(ぶんすいれい)の中で揺れている。

前政権が左翼利権を守るために創設した「韓国版ゲシュタポ」といえる高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と、その下請けに転落した警察は「法に基づき尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を内乱罪容疑で逮捕する」としている。

これに対して大統領警護処は「逮捕令状そのものが違法であり、われわれこそ法に基づき大統領を守り通す」と強硬な姿勢だ。

どちらも都合の良い法解釈を前面に押し立てるあたり、いかにも「名目法治国家」らしいが、笑い話では済まない。

警察内部では大統領公邸(韓国メディアは『官邸』としているが、執務場所ではなく居住場所)にヘリコプターにより特攻隊を投下させる案まで出ているという。そして、公邸周辺では、弾劾賛成派と大統領支持派が集会を開き、罵り合いを続けている。いつ流血の事態が起きても不思議はない状況のようだ。

こうしたなかで公表されたのが、「大統領支持率40%に回復」という世論調査だった。左翼勢力は大衆を扇動して〝世論の圧倒的支持〟を背景に政権への攻勢を進めてきた。彼らにとって「尹支持率40%」とは大ショックだ。

民主党はすぐさま、世論調査会社を公選法違反(特定政党支持への誘導)で告発した。左翼新聞「ハンギョレ」のヒステリックなまでの世論調査会社非難は、彼らが受けた衝撃の大きさを示す。

しかし、別の世論調査でも、民主党の半分しかなかった与党の支持率が大統領弾劾後ジワジワと上昇し、ほぼ拮抗(きっこう)状態になっている。

民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は6日、崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行(経済副首相兼企画財政相)の弾劾を匂わせた。その理由は、「大統領警護処長を解任しないから」。実現したら、尹政権になって30件目の弾劾だ。「弾劾中毒政党」と言えばお笑いだが、ここにこそ「左翼の本当の狙い」がある。

何らかの理由を見付けて、あと5閣僚を弾劾すれば、閣議は定数不足で開催不能になる。国会を通過した法案への行政府の拒否権も議決できない。だから、国会多数党=民主党の独裁体制が出来上がる。李在明氏が言う「光の革命」だ。危険な分水嶺と言うほかない。(室谷克実)

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