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勝者のワザ スコッティー・シェフラー、パリ五輪ゴルフ金メダリスト グリーンエッジにボールがこぼれても 「流れを引き寄せるチャンス」と考える

zakzak by夕刊フジ 2024年8月10日 15時0分

パリ五輪の男子ゴルフで世界ランク1位のシェフラーが最終日に大きくスコアを伸ばし、金メダルを獲得した。最終日は前半9ホールを3アンダーパーで折り返し、バックナインでは、松山英樹、トミー・フリートウッドとの競り合いを14番からの4連続バーディー奪取で制しての優勝だった。

最終日に会心のゴルフを展開したきっかけになったのは、序盤のチップイン・バーディー。ピンを指していたショットが、わずかにグリーンからこぼれ、エッジのラフに沈んで止まっていた。アマチュアゴルファーでも、こうした状況になることはあるだろう。

「最高のショットだったのに、ツイてない」とがっかりするのが普通の心理ではあろうが、シェフラーをはじめ世界のトッププロは「チャンスがきた」と、集中力を高めながらボールの状況を確認する。

チャンスと思うのは、こういう状況でチップインを決めると自分に勢いがつき、流れを引き寄せられることを知っているからだ。ボールのライは、どうなっているか、スッポリと沈んでいるのか、ラフに浮いているのか、しっかりと観察して、自分の引き出しから打つべきショットを決めていく。

深く沈んでいるなら、バンカーショットの要領でドスンとボール手前にヘッドを打ち込んでボールを上げていき、あとは転がっていくようにする。浮いているなら、打ち込んではいけない。ダルマ落としのようになって、前に跳んでいかないからだ。この場合は、ソールをわずかに浮かせてアドレスし、ボールを払うようにして打ち出すのが正しい。アプローチショットのバリエーションを増やしておかないと、状況に応じたショットを使い分けられないし、イメージもわかない。

アプローチショットの練習ができるコースであれば、ボールをグリーン周りに巻き散らかして、1球ずつ処理していく練習をするといい。1か所にボールをまとめて置いたのでは、1パターンしか覚えられない。さまざまなライから試しておき、引き出しを増やしていくことで、実践に生かすことができる。

■Scottie Scheffler 1996年6月21日生まれ。米ニュージャージー州リッジウッド出身。高校時代に「全米ジュニア」を制覇。テキサス大時代の2017年「全米オープン」でローアマ。18年にプロ転向。22年「フェニックス・オープン」で米ツアー初優勝を飾り、そのまま世界ランキング1位に上り詰めた。メジャーは22年、24年の「マスターズ」で勝利。24年はすでに米ツアー6勝で、通算12勝。190センチ、91キロ。

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