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舟木一夫 出会いと別れの80年 舟木一夫が紅白で歌った「高校三年生」に奮起 西郷輝彦、もう一度「歌手・西郷」へ 「55周年コンサート」の出演依頼も…突然の訃報

zakzak by夕刊フジ 2024年8月27日 11時0分

歌手の舟木一夫が今年の年末に80歳を迎える。今も年間約50ステージをこなしているが、どの会場も満席状態だ。〝傘寿〟を機に、出会いと別れの80年をつづる。初回は〝御三家〟の一人で盟友でもあった西郷輝彦から―。

今年は西郷の三回忌で、舟木は全国を回るツアーコンサートの各会場で、「日本の名曲たち」として、西郷の「君だけを」「初恋によろしく」「星のフラメンコ」の3曲を歌っている。

舟木が自ら〝寒い時代〟と呼ぶ低迷期から復活した1992年。21年ぶりに第43回NHK紅白歌合戦に出場することになり、「高校三年生」を歌った。西郷は母親と一緒にテレビで見ていた。

西郷がうれしくて涙を流していると、母親が「あんたもちゃんとやらないとダメだよ」と叱ったそうだ。「役者・西郷輝彦」が確立していたが、母親は「歌手・西郷輝彦」の姿をもう一度見たかったのだろう。

西郷はボイストレーナーに声帯をチェックしてもらい、翌年に「別れの条件」を発売、歌手活動を再開させた。その後、2011年に前立腺がんの全摘手術を受けたが、17年秋に再発した。

舟木は19年12月に西郷と東京・赤坂で食事をした際、西郷から「55周年のコンサートをやりたいので出演してほしい」と頼まれた。20年3月に東京・中野サンプラザで舟木が友情出演するスケジュールが決まったものの、折からのコロナ禍で中止になってしまった。

西郷は21年4月にステージⅣの前立腺がんであることを公表し、最先端治療を受けるために豪州に渡った。舟木は帰国したら一報するよう伝えていたが、連絡がないまま、事務所から訃報を聞かされた。

舟木は四十九日の法要が終わった後、西郷の夫人に電話して自宅を訪ね、西郷と〝再会〟した。その帰りに夫人から、西郷が使っていたネクタイピンを手渡されたのだった。

西郷は1947年2月5日生まれ、デビューは64年2月15日、75歳で亡くなったのが2022年2月20日。「2月」に縁のある人だった。 (敬称略)

(大倉明)

■舟木一夫(ふなき・かずお) 歌手。1944年12月12日生まれ、79歳。愛知県出身。63年6月、「高校三年生」でデビュー。橋幸夫、西郷輝彦とともに〝御三家〟と呼ばれ、人気を集めた。歌手だけでなく、ドラマや映画などで活躍してきた。ツアー「コンサート2024」を開催中で、10月22日に大阪・フェスティバルホール、同月23日に神戸国際会館・こくさいホール、11月6日に東京・渋谷の「LINE CUBE SHIBUYA」(渋谷公会堂)を予定している。

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