証券ライター 年初に4万円台乗せとなった日経平均だけど、その後はさっぱりだなあ。日足チャートでは6営業日連続の陰線が続いている。
テクニカルアナリスト 陰線は始値より終値が安いということだから、単純に前場の寄り付きで売って、引けで買い戻せばもうかるだろ。
ライター 株価が下げることで利益が狙える信用取引や先物を活用すればいいんだけど、多くの個人投資家は株価上昇で利益を狙う買い一辺倒だから難しいよ。
アナリスト そもそも株は上昇も下落もするわけだから、「売り」をやらないともうからないと思うよ。特に、昨今の相場は上下に激しく動くから。
ライター 足元の相場は、24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げを警戒している。テクニカルアナリストは、こういったファンダメンタルズの変化はまったく気にしないのか?
アナリスト 一応、気にはしているけど、売買の判断は利上げの有無ではなく、テクニカルの売買サインで決める。
ライター 確か、昔は外資系証券で運用を担当していたよな。その時もテクニカルに頼っていたのか?
アナリスト 大きな声じゃ言えないけど、基本的にはそうだった。ただ、テクニカルでは上司が納得しないから、いい銘柄が見つかったら業績や株価指標などファンダメンタルズで理由づけをしていた(笑)。
ライター テクニカル分析では、特に何を重要視しているんだ?
アナリスト テクニカルにもさまざまな分析手法があるけど、オレはローソク足チャートと移動平均線だな。複数のテクニカル分析を組み合わせるという考え方もあるけど、個人投資家もこれだけで十分戦えるはずだ。
ライター ファンダメンタルズは無視していいってことか?
アナリスト 最低限、企業業績の良しあしをチェックするくらいでいいと思う。そもそも、ファンダメンタルズでは機関投資家には勝てないけど、テクニカル分析なら機関投資家も個人も条件は同じだからな。あとは、テクニカルに忠実に売買するだけだ。
ライター それができないんだよな。業績がいいと思って買っても株価を下げることがある。そういう銘柄の損切りはなかなかできないよ。
アナリスト 企業業績に変化がなくても、テクニカルでは売買のサインが刻一刻と変化する。買いのサインが出たときに買って、売りのサインで売るだけだよ。たとえ、それが損切りでも潔く従うしかない。
ライター そうだな。今年はテクニカル分析でやってみるか。いい銘柄があったら教えてくれよ。
アナリスト まず、そういう考え方を直すべきだな(笑)。