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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 「原潜保有」「防衛費増額は増税ゼロで」論争を呼びそうな政策・主張が次々と 総裁選、候補者乱立でなりふり構っていられない?

zakzak by夕刊フジ 2024年9月11日 11時0分

雨後のタケノコの如く、候補者が乱立する自民党総裁選(12日告示、27日投開票)。私が担当するニッポン放送の番組「OK! Cozy up!」(平日朝6時から)では、可能な限り総裁候補を生放送にお招きして、政策を聞いていきます。

きょう10日は、石破茂元幹事長が来てくれました。ラジコのタイムフリーやポッドキャスト、ユーチューブで後から聴くことができます。ぜひ、聴いてみてください。

これまで、青山繁晴参院議員や、小林鷹之前経済安保相、斎藤健経産相、林芳正官房長官にも登場してもらいました。この間、中国軍機の領空侵犯や、中国軍測量艦による領海侵入、日本とオーストラリアの外務・防衛閣僚協議(2プラス2)など、安全保障に関するニュースも多く、「中国との向き合い方」や、「この国をどうやって守っていくのか」を質問することが多くなっています。

総裁候補の政策発表会見も続いています。

安全保障についても、「原潜の保有も検討すべし(河野太郎デジタル相)、「防衛費の増額は増税ゼロで賄う」(茂木敏充幹事長)といった、ややもすれば論争を呼びそうな内容を提示する候補も相次いでいます。

防衛費の増額は、この日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを鑑みれば多くの人が賛成します。ただ、その財源を増税によってとなると、賛否がクッキリと別れます。

茂木氏は、増税ではなく経済成長による増収分や、外国為替資金特別会計(外為特会)で賄えると言いました。外為特会は昨今の円安対策の為替介入で大幅に利益確定をしましたから、ある意味、円安の利益還元になります。

こうして、ギリギリまで増税回避を模索しつつ防衛力も強化した方が、国民にも納得感があります。特定の税目と紐(ひも)づけて、「安全保障を重視するなら増税にも賛成しなければならない」といった硬直的な議論では、可処分所得が減り続ける現役世代の共感は得られないでしょう。

確かに、防衛財源確保法で将来の増税が決まっているものの、当時とは経済状況が違うのも事実です。法律をつくるだけでなく、変えるのも国会議員の仕事のはず。ここは柔軟な議論が必要でしょう。

河野氏が言及した「原潜の保有」は、歴代政権の「原子力の平和利用」という基本方針との整合性が問われます。ちなみに、「非核三原則に反する」という声もありますが、非核三原則が指す「核」とは核戦力のことであり、原潜とは別です。

それにしても、茂木氏はつい1カ月半前は、「利上げで円安対策をせよ」と、引き締め的なことを言っていました。河野氏はずっと掲げていた「原発ゼロ」を封印して、原潜にまで言及しました。群雄割拠の総裁選で、票を取らんがための豹変(ひょうへん)なのでしょうか。

他の候補も含め、この土壇場でなりふり構っていられないのでしょうが、過去の発言との整合性も含めてチェックしなければいけませんね。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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