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林官房長官〝遺憾砲〟効果なし、中国ブイ設置に批判表現の上から4番目…岸田政権の「十八番」いつまで続けるのか 「ジリジリと押してくる」

zakzak by夕刊フジ 2024年7月6日 14時58分

習近平国家主席率いる中国が、日本の大陸棚にあたる四国南方の公海上に海洋ブイを設置した問題で、岸田文雄政権は十八番の〝遺憾砲〟を放った。これに対し、中国側は津波観測用などと自国の正当性を主張するだけで、どこ吹く風だ。岸田文雄政権は、沖縄県・尖閣諸島周辺の日本のEEZ(排他的経済水域)内に中国が無断で設置したブイも撤去できない。いつまで、腰が引けた対中外交を続けるのか。

「目的や計画の詳細を示すことがないまま小型ブイを設置したことは遺憾」「政府として情報収集、分析を継続する」

林芳正官房長官は5日の記者会見でこう語った。

問題の海洋ブイの大きさは2~3メートル。中国の海洋調査船がブイを設置したのを6月中旬に確認したという。

日本政府の遺憾表明に対し、中国外務省の毛寧副報道局長は5日の記者会見で、公海で国際法に基づいて設置しており「日本に干渉する権利はない」と述べた。「科学研究のためであり公益目的だ」と主張した。

確かに、当海域は日本のEEZには当たらないが、国連の大陸棚限界委員会は2012年、沖ノ鳥島を基点とした日本の大陸棚に認めている。この海域の海底には、レアメタルを含んだ鉱物資源が分布している。国連海洋法条約に基づき、日本はこの海域での海底探査や資源開発について、主権的な権利を行使できるのだ。

林氏は、日本の海洋権益を侵害することがないよう申し入れたというが、EEZ内にも平然とブイを置き続ける中国には効きそうにない。

ちなみに、岸田政権が多用する「遺憾」だが、政府の8段階ある批判表現では「断固非難」「非難」「極めて遺憾」に次ぐ、上から4番目である。「こちらの期待したようにならず、残念に思う」という意味とされ、抗議の意志が伝わるとは思えない。

福井県立大学の島田洋一名誉教授は「中国は相手が反撃してこないと見るや、ジリジリと押してくるのがいつものやり方。『遺憾砲』だけでなく、逆に相手の微妙な海域に日本も海洋ブイを設置したり、米国やEU(欧州連合)と連携して断固たる姿勢を示すべきだ」と語っている。

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