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早大が17年ぶり全勝優勝 ラグビー早明戦、100回目もドラマチック「ここで死んでもいい」2つの炎が完全燃焼

zakzak by夕刊フジ 2024年12月2日 12時57分

2つの炎が、今年もまた激突。約4万人の大観衆を熱狂させる戦いとなった。100回目を迎えたラグビー早明戦だ。

関東大学対抗の伝統の一戦は1日、国立競技場で行われ、シーソーゲームの末に早大が27―24で逃げ切り、17季ぶり7戦全勝で6年ぶり24回目の優勝を決めた。1964年の第40回から60年、早明戦を取材している記者がその熱い歴史を振り返る。

1923年に戸塚球場で第1回が行われて以来100年余(途中戦争で3年間中断)、両校は母校の名誉をかけて戦い続けてきた。豪快な戦車FWが突進する明大と、華麗なオープン展開で攻める早大。縦と横。ラグビーを格闘技ととらえるか球技ととらえているか対照的な戦法は、日本ラグビーの進路を決める戦いともいわれる。

実際、両校から日本代表も数多く生まれ、リーダーシップを握り合ってきた。組織、規律の早大と自由奔放、個性派集団の明大とチームカラーは好対照だか、ひと度グラウンドで相対するとともに「ここで死んでもいい」とただ炎となって完全燃焼するのである。

だからか早明戦にはいつも思わぬドラマが生まれる。1962年にBブロック(2部)へ落ちた早大がAブロック優勝の明大を17―8で倒す「史上最大の番狂わせ」もあれば、1975年は弱いといわれた早大FWが大健闘し、逆に天才SO松尾雄治が牽引する明大バックスが早大のお株を奪う展開力を見せ一歩も譲らぬ接戦。松尾と早大俊足ウイングの藤原優の日本代表対決も話題を呼び、10―10で初の引き分けもあった。

終了間際の逆転トライ、雪中の熱戦も。そして100回目の早明戦も逆転の応酬。2年生で日本代表に選ばれた早大FB矢崎由高をはじめ、両校とも下級生の出場が目立ち、ロスタイムに入ってもどう転ぶかわからぬ熱闘となった。早明戦の未来も、楽しみである。 (スポーツジャーナリスト•柏英樹)

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