Infoseek 楽天

ニュース裏表 有元隆志 国会議員から人気がない高市早苗氏 地方講演会は大盛況も…総裁選の推薦人20人確保できない事情、支持獲得への課題

zakzak by夕刊フジ 2024年8月9日 6時30分

自民党で「〝集客力〟のある政治家」の一人として高市早苗経済安保相がいる。全国各地での講演会には多くの人々が詰めかけ、演説を熱心に聞いている。高市氏の話に魅力があるということだろう。

ただ、本人は9月の自民党総裁選に出馬するか、態度を鮮明にしていない。岸田文雄内閣の閣僚という立場もあるが、立候補に必要な国会議員の推薦人20人を確保していないという事情もある。

その点をズバリ聞いたのが、ジャーナリストの櫻井よしこ氏である。櫻井氏は2日夜、自身が主宰するネット番組「言論テレビ」に出演した高市氏に対し、「国会議員の支持というところで、『高市さんはあまり強くない』という人たちがいます。そのことについて、どういう努力をしておられるのか」と聞いた。高市氏は答えた。

「この3年間、私が続けてきたことというのは、前回(2021年の総裁選で)私を応援した方であろうが、別の候補者を応援した方であろうが分け隔てなく(応援演説を)引き受けてきた。『自民党が強くなるのだったら』と思って働いてきました。もうそれだけです。その他の努力はあまりしていません」

高市氏は総裁選後に行われた21年10月の衆院選では、12日間の期間中、地元・奈良の選挙区に入ったのは3時間だけで、残りは自民党候補応援のため他の選挙区回りをしたという。

22年7月の参院選も同様で、政調会長として全国遊説を行った。頼まれれば断らないのは高市氏のいいところである半面、総裁選まで約1カ月しかないのに、いまだに推薦人20人が確保できないというのは問題であろう。

高市氏は国会議員から人気がない理由として、「あまり(会食などに)付き合わないとか言われているみたいなんですが、誘われなければ行きません。誘ってもらえたら行きます」と語った。

そのほか、「視力が超弱い」のに、フレームなどでかぶれるのを嫌がり、車を運転するとき以外はメガネをかけていない。視界がぼやけて、「国会の廊下とかで(他の国会議員と)すれ違っても(分からず)あいさつしない」ため、相手側を不快にさせることがあるという。櫻井氏から「それは眼鏡をかければ済むわね」と言われると「そのうち、変なメガネをかけて出てきたらご注意を」と冗談めかして、出馬に意欲をにじませた。

視力の問題はともかく、首相にとりわけ求められるのは、内閣や党を率いて「チーム」として諸問題に対処する力である。

高市氏の講演会の模様を見ていて気になるのは、国会議員の姿がほとんどないことだ。総裁選を意識して地方行脚を続けているのだろうから、もっと国会議員を巻き込むなど改善すべき点はある。

総裁選はかつて派閥を中心としたように、「チーム」として戦う。その「チーム」が勝利した場合、主要メンバーが新政権の中枢を担う。それは高市氏に限らない。各候補がどのような「チーム」をつくるかにも注目したい。 (産経新聞特別記者・有元隆志)

この記事の関連ニュース