11月の国際大会「ラグザス presents 第3回プレミア12」で連覇を目指す野球日本代表は29日、宮崎市で強化合宿をスタート。複数の辞退者が出て追加召集された清宮幸太郎内野手(25)=日本ハム=は、代表定着へ〝一発回答〟が求められる。
昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)前には連日、栗山ジャパン見たさに2万人近い来場者を集めた宮崎合宿。この日はあいにくの雨模様でもあり、井端ジャパンの始動に駆け付けたファンは1000人止まりだった。
その多くが一挙手一投足を追いかけ、カメラのシャッター音を響かせたのが清宮。早実高1、3年時にU―18W杯で代表入りの経験はあるが、フル代表に選ばれたのは今回が初めてで、本人は「まだ慣れないですね。そわそわしてます」と所在なさげだ。
井端弘和監督(48)が4番での起用を明言していた岡本(巨人)、万波(日本ハム)らのコンディション不良でお鉢が回ってきた形とはいえ、指揮官は「期待は大いにありますよ」と強調する。「後半戦だけならトップクラスの成績」との指摘通り、7月以降に限れば打率・330で、今季の全15本塁打を放つなど爆発。「この大会以降を踏まえても十分あります。ここを経験することは大きい」と今後の代表定着にも期待を寄せた。
代表関係者は「井端監督はシーズンを通じて結果を残した選手を評価するが、故障で村上(ヤクルト)や岡本が呼べないから、清宮の国際試合への適応を見てみたいという考え。今大会の投手が打てないならWBCも厳しい」と話し、大リーガーが不参加の今大会が次回2026年WBCへのテストとみている。
同学年の村上は21年東京五輪、昨春WBCで中軸打者と活躍。現状は大きく水をあけられているだけに、ライバルが居ぬ間にアピールしたいところだが、「本当にケガのないように。僕、すぐケガするんで」と自虐で笑わせるあたりが清宮の真骨頂だ。久々の日の丸にも気負うことなく、自然体で成長を示したい。 (片岡将)