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植木通彦 ちょっといい話 開催中「SGオーシャンカップ」の舞台、ボートレース大村 スタッフ・関係者の努力と笑顔で「売り上げ全国一」に進化

zakzak by夕刊フジ 2024年7月24日 15時35分

本格的な夏となり海の日記念のSG第29回オーシャンカップが長崎・ボートレース大村で開催中。GⅠ、GⅡで優出するなどの実績あるレーサーが参加しています。

大村は1952年4月6日にボートレースが発祥した地です。2018年からナイターレースを開催し現在は全国一の売り上げを誇る素晴らしいレース場に進化しましたが、私の現役の頃は売り上げが全国で最も厳しい時代がありました。そんな中でも関係者の皆さんは笑顔で私たちに対応し開催最終日の賞金を受け取るときにお疲れさまと声をかけていただいたのを今も覚えています。

藻が異常発生し私がピットアウトしてコース争いの最中にプロペラに巻きついたことがありました。このままでは大返還になると考えた私はいったんモーターを止め、モーターを持ち上げて必死に藻を除去しました。スタートを告げる大時計が刻々と回るのを見ながらの作業は呼吸を忘れるほどの緊迫感でした。

この瞬時の判断ができたのもスタッフの方々が一生懸命早朝からレース開始ギリギリまで掃海されていたのを見ていたからです。返還があるとレースの盛り上がりは半減しますから私も必死でした。それでようやく事なきを得ました。

そんな目からみるとレースを運営する大村市や関係者の努力が実り、一昨年末にSGの最高峰のグランプリを開催できたのは感動しかありません。努力はいつか報われるという言葉を実感します。ボートレース大村はレース観戦だけでなくモーヴィなど多目的に楽しめる施設が拡充しています。それらとレース収益を活用した新大村駅の整備など大村市の地域貢献についてYouTube「植木さんぽ大村編」でお伝えしています。

大村の水面特性は「日本一1コースが強い」といわれます。理由には1マークとスタンドとの間隔が広いことが挙げられます。レーサーがハンドルを入れレバーを握りやすく、特に1コースはしっかりハンドルが入るのでモンキー姿勢も取りやすい。それがいいターンにつながり、1コースが有利になります。

また、2マークはスタンドの反対側に少しターンマークがずれているためバックストレートの内側を航走すると最短距離で先行艇に追いつく感じです。でも2マークのターンは流れやすいので逃げたレーサーが差してくるレーサーをどうさばくかが見どころです。

このあたりに注目しながら暑さを忘れるバトルをお楽しみください。

■植木通彦(うえき・みちひこ) 1968年4月26日福岡県生まれ。福岡県立博多青松高校卒。86年11月デビュー。2007年7月の引退までSG優勝10回を含む74回の優勝、公営競技初の年間獲得賞金2億円を達成したボートレース界のレジェンド。2018年、初代ボートレースアンバサダーに就任。テレビ『BOAT RACEプレミア』他、ネット放送、イベント、講演会で活躍中。『植木通彦オフィシャルブログ』(二次元コード)でも発信。

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