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追悼・俳優で歌手のジェームズ・ダレン氏 NHK「タイムトンネル」で有名 時代に左右「ナバロンの要塞」で甘いマスクの殺人のプロ役

zakzak by夕刊フジ 2024年9月26日 6時30分

9月2日、俳優で歌手としても知られるジェームズ・ダレンが他界した。88歳だった。最近、追悼原稿を書いた映画俳優(ドナルド・サザーランド、丘さとみ、アラン・ドロン)も同じ年齢で亡くなっている。私が映画少年だった時のスターは、すでに90歳近い年齢となった。

ただしジェームズ・ダレンは、映画スターとはイメージがやや違う。私だけでなく、一般的に彼の名前が記憶されるきっかけとなったのは、当時NHKで放送され、話題となったテレビシリーズ「タイムトンネル」(1966~67年)で演じた若い科学者トニー役だろう。今にして思えば、同シリーズがインパクトを与えたのは、NHKにしては珍しいSF映画だったためかもしれない。

だが、古くからのファンの中には、その少し前に出演した映画「ナバロンの要塞」(61年)を思い出す人もいるだろう。本作は、当時の戦争映画を代表する大作で、地中海の小さな島にあるドイツ軍の砲台を破壊する特殊部隊の活躍を描いた戦争アクション。

ダレンは特殊部隊のメンバーの一人にふんしたが、主役のグレゴリー・ペックらビッグスターたちと比べ、格下扱いだったせいで、覚えている人は少ないのではないか。

甘いマスクの割に殺人のプロといった役柄だったので、私にはミスキャストの印象が強い。これは、アラン・ドロンが世に出たときの時代状況と関係しているのではないか。二枚目より、個性派がスターとなる時代になって、それまでのキャラクターを拭い去るつもりだったと思われる。

甘いマスクの歌手というのは、主にアメリカ国内で人気を博した肩書で、ボビー・ダーリンやフランキー・アヴァロンらと同じく、アイドルとして売り出したとはいいながら、わが国で名を知られたのは、前述したような映画やテレビ出演のおかげだった。 (瀬戸川宗太)

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