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ニュース裏表 安積明子 支持率〝危険水域〟石破政権の行く末 民意読み違え総選挙も危機的 くら替え丸川珠代氏は号泣…裏金事件、党の責任直視せよ

zakzak by夕刊フジ 2024年10月23日 6時30分

石破茂首相(自民党総裁)にとって、「衝撃的な調査」が続出している。時事通信が17日に公表した世論調査で、内閣発足後初の支持率が「危険水域」の28%だった。2000年以降の同様調査では、森喜朗内閣の33・3%を下回り、最低だ。

衆院選(27日投開票)の雲行きも怪しい。朝日新聞が21日報じた情勢調査では、石破首相が勝敗ラインとした「自公で過半数(233議席)」は微妙だという。

新総裁を誕生させて、新政権で衆院選をすれば、「ご祝儀相場」で選挙戦を有利に展開できる―。こんな甘い期待は、見事に外れそうだ。

泣きっ面に蜂なのが、自民党派閥パーティー収入をめぐる「裏金問題」で公認を外されたり、比例重複立候補ができなくなったりした候補者たちだ。

参院から衆院東京7区(港区、渋谷区)にくら替えした丸川珠代氏は16日、号泣しながら「小選挙区1本です。どうかお助けください」と有権者に訴えた。丸川氏には822万円の不記載が指摘された。

参院議員のままなら地位は安定していたはずだ。だが、政治家として「さらに上」を目指すなら、衆院議員にならなければと思ったのだろう。

「1票の格差」是正に向けた小選挙区の「10増10減」で、都内の小選挙区は25から30に増加した。丸川氏が東京7区に擁立されたのは、コロナ禍で東京五輪・パラリンピック担当相を務めた功績といわれる。

自民党から公認されず、東京24区(八王子市)から無所属で出馬した萩生田光一元政調会長も苦しい。安倍晋三元首相の妻、昭恵夫人や、高市早苗前経済安保相が応援に入り、小池百合子都知事はビデオメッセージを寄せた。20年来の盟友である松井一郎前大阪市長も駆け付けてマイクを握った。

だが、萩生田氏が演説するとヤジが飛び、「ウラ金 2728万円」と書かれたプラカードを掲げられるなど、執拗(しつよう)な〝アンチ〟に悩まされている。

もちろん、彼らに不記載の責任はある。だが、旧石破派や旧岸田派を含めた他派閥にも不記載が報道されるなか、旧安倍派議員らを丸裸同然で有権者の前にさらし、判断を委ねた石破政権に責任がないといえるのか。

「こんなお金は持っていたくない。党本部に寄付して被災地の復旧・復興に役立ててほしい」

不記載が発覚した議員の一人は、肩を落として語る。政党を通じた被災地への寄付は日本維新の会がすでに行っており、前例はある。

にもかかわらず、なぜ自民党は動かないのか。「不記載事件は派閥や当事者の議員の問題。党は無関係」と考えているなら、勘違いも甚だしい。

たとえ自公で過半数に達しても、党の体質を抜本的にクリーンにしない限り、国民の信頼は取り戻せないのではないか。 (政治ジャーナリスト)

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