ソフトバンクから国内フリーエージェント権を行使して巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が26日、東京都内のホテルで入団会見を行った。今季はタイプの異なる3捕手を併用して4年ぶりのリーグ制覇を達成した巨人だが、絶対的司令塔として最強軍団の頭脳を獲得。その裏には阿部慎之助監督(45)の強い意向があった。
オレンジ色のネクタイを締めて会見に臨んだ甲斐は巨人移籍の決め手として「阿部監督ですね。それが間違いなく、決断した理由の1つ」と指揮官の熱意を挙げた。
「『グラウンド上では捕手は監督なんだ』と。それは阿部監督も現役のときから原監督に言われて、阿部監督もそう思っている。司令塔として、背番号10もそういった思いを受け継いでほしいと。それはものすごくうれしい言葉でもあり、重くのしかかる言葉でもあります」とメッセージに胸を打たれたという。
今季のスタメンマスクは、バランスの取れた岸田が72試合、打撃型の大城が34試合、守備とリーダーシップにたけた小林が32試合と、3捕手の併用体制だったが、阿部監督は「絶対的な司令塔が必要」と甲斐獲得を熱望。来季は甲斐に主戦を託す意向だ。
前日25日には前楽天の田中将大投手(35)を1年1億6000万円で獲得。前中日のライデル・マルティネス投手(28)を4年50億円で迎え入れ、甲斐の5年15億円と合わせて今オフの補強費用は70億円に迫る。
「今回の補強は阿部監督の意向をフロントが聞きいれた形」と球団関係者は明かす。原辰徳前監督はフロントのトップと現場指揮権を掌握した〝全権監督〟だったが、阿部監督の就任にあたって編成権はフロントに戻された。就任1年目のリーグ制覇で青年指揮官の権限が強化されているのは間違いない。 =金額は推定(片岡将)