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ニュース裏表 平井文夫 国民・玉木人気が落ちない理由 〝不倫報道〟後も政党支持率増加、批判を上回る「減税」への期待 手負いの獅子は凶暴になるか

zakzak by夕刊フジ 2024年11月21日 6時30分

「玉木人気」が落ちない。日経新聞の世論調査(11月15~17日実施)によると、玉木雄一郎氏が代表を務める国民民主党の政党支持率は、前月比で何と10ポイントも上昇して11%。また、読売新聞の調査(11、12日実施)でも3ポイント上昇の10%だった。

いずれの調査も「不倫報道」後に行われており、有権者は玉木氏の「不倫」への批判より「減税」への期待の方が強いようだ。読売調査では、内閣支持率と自民党の政党支持率まで上がっており、これは石破茂首相が「玉木減税」を飲むのではないかという期待だろう。

国民民主党が主張する「103万円の壁」について、地方からは「税収が減って住民サービスに悪影響がある」という声が出ている。これに対して、玉木氏は「総務省から自治体に工作をしている」と発言、やり玉に上がった村上誠一郎総務相は「工作」を否定している。

これは「工作」と言うとおどろおどろしいが、どこの省庁の官僚も政治家や記者などに「ご説明に伺いたい」と称してやって来る、実によくある話である。で、官僚の言うことは嘘ではなく本当である。ただ、彼らに都合のいい「本当」ではあるのだが。

では、石破政権はこの減税案を丸飲みするのか。

当初、玉木氏は103万円から178万円への引き上げ75万円について、今回一度に全額というニュアンスではなかった。全額でなくどこか落とし所を探していたと思う。

だが、「手負いの獅子」は凶暴になる。国民の減税への期待は「不倫発覚」以前より明らかに高まっている。また、夫人が「103万円の壁を頑張りなさい」と言ったという。だったら三分の一とか半額ではなく、75万円全額取って来ないと玉木氏は夫人に家に入れてもらえないのではないか。

政治記者同士で話すと、「不倫の続報が出たら玉木氏はもうダメだろう」「出なくてもこれで首相の芽はなくなった」という話になる。だが、世論調査の結果やネット上の声を見る限り、「玉木氏に減税をやらせろ」という声が圧倒的に強い。

これはもしかしたら、兵庫県知事選の結果と同じで、既成政党やメディアの認識と、世間、特にネット上の民意との間に大きなズレがあり、後者の方が正しいのかもしれない。

与党は総合経済対策に「103万円の壁」の引き上げを税制改正で検討することを明記し、国民民主党は補正予算には賛成の見込みだ。ただ、どこまで引き上げるかは決まっていない。

国民民主党は与党が75万円全額丸飲みしないと来年度予算には賛成しないのではないか。だが、減税だけではダメだ。歳出カットもしなければ。

玉木氏も「財源は与党で考えろ」などと言っていないで、例えば、与党が出している「住民税非課税世帯への3万円給付案」をやめさせるとか、自ら歳出カット案を打ち出したらどうか。今の玉木氏の言うことなら国民は聞きそうな気がするのだが。 (フジテレビ客員解説委員)

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