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わが社の「健康経営」 日本トリム(2)健康イベント参加へ 従業員のモチベーションどう維持するか シークレットイベントで運動習慣を促す施策も

zakzak by夕刊フジ 2024年9月25日 15時30分

定期的なウオーキングイベントで、従業員の運動習慣の意識を高めている企業は多い。だが、単に歩いてQUOカードなどをもらうだけでは、「飽きる」との声もある。モチベーションを維持するために、さまざまな施策を行っているのが日本トリムだ。

【他企業との連携で豪華商品も】

2017年に実施した同社の社内ヘルスケアアンケートでは、通勤以外で運動している割合は31%だった。その改善のため、社外のウオーキングアプリを翌年導入したという。

「当社は全国に拠点があるため、スマホに入れてオンライン参加が可能なイベントが開催できるアプリは便利です。 また、『Kenko企業会』でのアイデアなどがとても役立ち、社内にも還元しています」と、ウオーキングイベントを主催する同社東京支社営業事務主任の花上裕美氏は話す。

Kenko企業会とは、2015年に設立された社員の健康増進に取り組む企業の集まりだ。健康管理プログラムやノウハウなどを共有し、新たなアイデアも出し合っているという。日本トリムも加入しウオーキング分科会のメンバーになっている。

この分科会では、参加した企業の社員が参加できるイベントを開催。また、参加企業による賞品提供で、同社経営企画部課長の佐藤光佑氏は「豪華な賞品が当たっている方もいて驚きました」と明かす。

「日頃から歩く習慣は身につけていますが、イベント期間中はモチベーションが上がります。いつもより、ちょっと多めに歩こうという気持ちになります」(佐藤氏)

【シークレットイベントで運動習慣を促す】

ウオーキングイベントは1カ月程度行われるのが一般的だ。参加して目標歩数を達成賞するとQUOカードや、上位の人には賞品プラス表彰状が授与されることもある。イベント期間中はなるべく多く歩こうとの職場の雰囲気も醸し出す。しかし、イベントが終わったら歩くことを止めてエレベーターを使用し、運動量が低下する人もいる。

「社内アンケートで、イベントがない期間でも歩数による評価が必要ではないかとの声がありました。それをヒントに2019年から『トリムシークレットウォーキング大会』を実施しています」(花上氏)

従業員にアバウトな実施期間を告知するが、どの期間が歩数のカウント対象になるかは伏せる。すると、告知されたアバウトな期間中は歩かなければ、賞品などがゲットできない。このようなイベント参加を繰り返しているうちに、いつの間にか、歩く習慣が身についた人もいるという。

一方、イベントに一度も参加していない従業員もいるという。社内の健康格差は広がっているようだ。

「運動率をいかに上げるかが課題です。ウオーキングアプリやイベント、参加賞品以外でさらなる施策が必要だと思っています」と同社総務部係長の西川英文氏は話す。 (取材・安達純子) =次回10月1日は「健康経営アライアンス」です

■株式会社日本トリム 家庭用電解水素水整水器・カートリッジの製品開発・販売、医療(血液透析)用整水器の製品開発・販売、農業用整水器の製品開発・販売、ボトルドウォーターの製造販売、電解水素水の研究開発。関連会社を含めた従業員数663人(2024年3月31日時点)。1982年設立。経済産業省等の「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に5年連続認定。

【健康経営】従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践すること。従業員の健康が生産性や企業価値の向上につながり、就活や転職先企業の指標にも。

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