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西武、FAの大山悠輔と原口文仁のW獲りを画策 後藤オーナーは本気 阪神は悲痛な叫び「巨人だけには行かないで」

zakzak by夕刊フジ 2024年11月14日 11時22分

プロ野球のフリーエージェント(FA)権行使の申請期間が13日で終了し、14日に公示され、15日から全ての球団との交渉が可能となる。この日、阪神・大山悠輔内野手(29)が国内FA権を行使を表明。覇権奪回を目指す巨人が虎の主砲に熱視線を送っているが、それに待ったをかける意外な球団が西武だ。91敗の歴史的大惨敗から巻き返しへ、同じく阪神からFA宣言した原口文仁内野手(32)と球団初のW獲りを画策。一方で阪神からは、大山へ「巨人にだけは行かないで」と悲痛な声が挙がっている。

FA権の書類を阪神に提出した大山は、球団事務所で会見。残留も選択肢にあるとした上で「他球団からの評価を聞きたい、というのが一番大きな理由。いろいろ考えて、悩んで、決めたい」と話した。昨オフは複数年契約を断り、年俸2億8000万円の単年契約を結び、移籍の可能性が高いとみられていた。

大山をめぐってはすでに巨人が来年以降、岡本和真内野手(28)の米大リーグ移籍に備えて、その後釜として調査していたとされている。在京球団の編成担当者は「4年総額15億程度が必要ではないか」と獲得条件を予想するが、大山獲得を虎視眈々と狙っているのが西武だ。

チーム再建へ、今オフは他球団で実績のあるコーチを次々と招へいしたが、それだけでは終わりそうもない。西武球団幹部の1人は一昨年オフにソフトバンクへ移籍した近藤健介外野手(31)のように、総額50億円超を要する争奪戦となれば「さすがに親会社の支援を仰いでも無理」とお手上げだが、大山獲得資金捻出の「準備は可能だ。巨人が相手でも勝負できる」と鼻息も荒い。

また巨人より優れているのが環境面だ。大山は今後について近しい関係者に「静かな環境で野球だけに集中してプレーしたい」と希望を口にしていたという。西武は負け続けても本拠地ベルーナドームのファンは温かく、甲子園のように痛烈なヤジが飛ぶことも少ない。もしも大山が巨人にFA移籍して、甲子園でプレーとなれば…。来季は甲子園での交流戦もなく、メディアの注目度も低い西武は、理想の環境といえる。

親会社の西武HD代表取締役会長・後藤高志球団オーナー(75)は節目ごとに「西武グループとして全面的にバックアップします」と強調するものの、6月の株主総会でもチーム低迷に対する厳しい意見が相次いだ。前出の幹部は「今年あれだけ大敗して今、球団大改革の機運は高まっている。以前のような停滞感もない」とグループの本気度を口にする。

また大山と同じくFA宣言した原口文仁内野手(32)のW獲りにも意欲を燃やす。原口は埼玉県大里郡寄居町出身の地元選手。今季推定年俸は人的補償などが発生しないCランクの3100万円。育成契約からはい上がった苦労人で練習熱心な人物であることも伝わっており「一緒に埼玉を盛り上げてほしい」とラブコール。あまりの大風呂敷の広げようがいささか心配であるが、今オフは西武が下克上を起こすことができるか。=金額は推定 (山戸英州)

7年連続で2桁本塁打をマークした大山の流出となれば、阪神にとっては非常事態となる。嶌村球団本部長は「他球団の評価を聞きたいのは正当な理由。ただ、こちらとしては残ってくれると思って信じるしかない。引き続き慰留に努めたい」と改めてラブコールを送ったが、球団が最悪のケースとして想定するのが大山の巨人入りだ。

球団関係者の一人は「阪神の4番が巨人に移籍するのは前例のないこと。FAが移籍の自由とはいえ、そこだけは選んでほしくない」と危惧する。事情通の阪神OBも「元々、巨人はDeNAの佐野が本命だったけど、残留。それで大山を取りに行くと聞いていたが…」と〝本命〟ではなかったとした上で「年齢的にも微妙な時期に入る大山にすれば、狭い東京ドームなら本塁打は確実に増える。25本以上いくんじゃないか。打率、打点も増えるし、絶対敵に回したらいけない」と心配するほどだ。

球団初の連覇を阻止された宿敵巨人に、主砲が流出となれば、まさに赤っ恥…。フロントの底力が試されている。 (岩﨑正範)

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