衆院選の投開票日だった10月27日には、テレビ各局とも選挙特番でしのぎを削ったが、今回最も得をしたキャスターと言われているのが、あの2人だという。
各局の色が出た選挙特番だったが、視聴率で1位となったのはNHKで、平均世帯視聴率19・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。
民放では午後7時54分からの「第1部」が9・6%、午後9時からの「第2部」が9・7%を記録したテレビ朝日がトップだった。
「選挙特番でNHKが強いのは今に始まったことではありませんし、順当な結果です。テレビ朝日については『報道ステーション』でおなじみの大越健介キャスターと2020年に役員待遇に昇進した同局の大下容子アナの安定感が好まれた印象ですね」(放送作家)
もっともこの2人以上に今回の選挙特番で得をしたともっぱら業界内で指摘されているのが、民放で視聴率2位となった日本テレビで特番を担当したフリーの藤井貴彦アナ(52)と人気グループ「嵐」の櫻井翔(42)だ。
2人は同局の平日夜の報道番組「news zero」でもコンビを組んでいるが、前出の放送作家はこう明かす。
「同番組は有働由美子アナの降板を受けて、今年4月からフリーとなった藤井アナがメインキャスターを担当。そのタイミングで〝曜日パートナー〟として芸能人や著名人を積極的に起用してリニューアルしましたが、お世辞にも評判は良いとは言えず、視聴率も苦戦を強いられていました。それだけに今回の選挙特番にも局内では不安視する声もありましたが、それなりに健闘したことで藤井アナもホッとしたことでしょう」
また、櫻井にはこんな声も聞こえてくる。
「櫻井さんもかつては出演する月曜日の『zero』が他の曜日と比べて明らかに視聴率が高かったのですが、近年はその神通力にも陰りが見えはじめています。旧ジャニーズ事務所の性加害問題が世間の物議を醸す最中は、当初の歯切れの悪さにキャスターの資質を問う声も噴出しました。今回の選挙特番でも『103万円の壁』に関する議論の際の表情や態度で一部からは勉強不足との指摘がありましたが、番組の〝数字〟的に結果オーライという見方が局内では多いです」(同局の番組スタッフ)
選挙特番で前評判以上の活躍を見せて評価を上げた2人だが、「news zero」にもその勢いを反映できるか。