また一人、米ツアーに旅立つ。男子ゴルフの金谷拓実(26)である。15日に終えた最終予選会で3位になり、5位タイまでに付与される来季の米ツアー出場権を手にした。PGA(米ツアー)のインタビューでは「本当に苦しかった。うれしい。ただ、それだけです」とちょっと涙ぐむシーンもあった。
〝元アマチュア世界ランキング1位〟で、日本ツアー7勝の金谷にとって、最高峰のPGAは夢舞台だった。過去、海外メジャー11戦を戦っている。米ツアーもスポンサー推薦などでスポット参戦。「経験になる。精神的にもタフになる」と欧州ツアーでも戦い、アジアンツアーでは勝利を挙げている。
いろいろな環境で戦うことで、「1打1打の大切さを知った」と粘り強さが身についた。結果が出た。国内の今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(東京よみうり)で3位に粘って、平田憲聖(24)を逆転して念願の賞金王。「取れたことが自信になった。頑張ればPGAでも戦える」という気持ちで米切符をもぎとった。
来季の米ツアーがにぎやかになった。今季は松山英樹(32)、久常涼(22)の2人だけだったが、来季は下部ツアー(コーンフェリー)を勝ち上がって大西魁斗(26)、欧州ツアー経由で資格を得た星野陸也(28)に加え、金谷で5人となる。
「松山先輩目指す」
「松山選手は(東北福祉大の)先輩で、世界のトップ。たくさん日本人も挑戦しているし、松山選手を目指して頑張りたい」と。で、インタビューでは、「楽しみはNBAを観ること。レーカーズファンです」と心は早くも米国?! まずは来年1月中旬の「ソニーオープン」(ハワイ)が初戦となる。
もう一人の挑戦者である平田は最終日に64の猛追も2打及ばなかったが、8位タイで下部ツアーの限定的出場権を得た。全26試合中、来年1月12日開幕のバハマの大会から12試合に出場できる見込みで、「来年は出られる試合でベストを尽くして頑張りたいと思います。コーンフェリーツアーでもやりたいと思います」と〝米挑戦〟に意欲を見せた。
女子は竹田麗央、岩井姉妹ら5人が加わり、来季は13人が米ツアーで戦う。男女合わせて18人が海外に流出?! ちょっと寂しさを感じるが、いまやグローバル時代。国内空洞化なんて思うより、「頑張れ!ニッポン!」でいいんじゃない?! (産経新聞特別記者)