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経営者目線 自民党総裁選、斎藤健経産相に期待 ワタミ「自然学校」で伝える理念とは

zakzak by夕刊フジ 2024年8月28日 6時30分

自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)に向けて10人以上の候補の名前があがっているが、一人も声高に、「財政再建」を掲げる人がいない。小林鷹之前経済安保相がいち早く名乗りを上げたが、政治資金の領収書公開の件も歯切れが悪い印象だった。

「私が総裁になったら10年後ではなく、即公開にします」それぐらい言ってほしかった。

大胆な改革者が現れなければ、この国の政治は何も変わらず、このまま財政破綻するだろう。小泉進次郎元環境相が有力と報じられているが、40代で一番若い候補にこそ、借金を未来に先送りし、若者に押しつけている今の政治にいちばん異を唱えてもらいたい。

現在名前があがっている中で、最も期待したいのは、斎藤健経産相だ。私が参院議員になる前からの親しい間柄で、財政再建、規制緩和などにも、根底では問題意識を理解されている。政策や信念を前面に押し出して支持を集めてほしい。自民党議員の大半は、誰が総裁になれば自分にいいポストがまわってくるか見定めている、それが本音だろう。

ニッポン放送のラジオ番組で先日、高校生に「日本が財政破綻すると思いますか?」と街頭インタビューした。結果は、50人中50人が「しないと思う」と答えた。理由が深刻だ。「考えたことがない」「想像したことがない」「親や先生もそんなことをいっていない」と並ぶ。

さらに、CCCMKホールディングスが昨秋、全国の10~29歳の3277人から回答を得た調査によると、「期待する政党」の断トツ1位が、自民党だった。すなわち現状肯定、今のままでいいということだ。バングラデシュでは、若者がデモを起こし、政権交代に影響した。日本の若者にも、もっと主体性を期待したい。しかし、若者の無気力、無関心は、この国の教育にも責任がある。

ワタミは毎年夏休みにCSR活動の一環で「わたみ自然学校」という活動を25年以上続けている。小学生が3泊4日親元を離れて、命、自然、友達、生活習慣、夢を学ぶサマーキャンプだ。もともと北海道で開催していたが、ワタミオーガニックランドの開園以降、岩手県陸前高田市で続けている。

校長メッセージで述べている理念は、「どんな状況下でも主体的であり、自分のための欲を抑えることができ、人のための欲をたくさんもてる子ども、感動する心を忘れない子どもに育てたい」だ。この国を変えるのは、教育しかないと思う。

「金を残すのは三流、事業を残すのは二流、人を残すのが一流」とよく言われるが、次の総理総裁は、一流であってほしい。 (ワタミ代表取締役会長兼社長CEO)

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