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勝者のワザ インパクトポジションの的確な見つけ方、参考になるゴルファーは少なくないはず アースモンダミンカップ優勝・小祝さくら

zakzak by夕刊フジ 2024年6月29日 15時0分

高額賞金のアースモンダミンカップを小祝さくらが制し、シーズン2勝目を挙げた。全米女子オープンの戦いを終えて帰国し、移動の疲れも時差の影響も見せることなく、さらに降雨によるスケジュールの乱れも意に介することなく、堂々と勝者への道を突き進んだ。何よりもスイング、ショットの安定性が際立っていた。

今シーズンの小祝は、スイングがシャープになり、飛距離も伸ばしている。飛距離不足やショットの乱れに悩むゴルファーは、小祝のスイングの進化に着目すべきだ。

シャープになったように見えるのは、下半身の動きを抑え、トップからインパクトへ腕とクラブが最短距離でボールをとらえていくようになったからだ。ここ数年、女子プロのスイングは、大きく変革している。女子は腕力が弱く、クラブを速く振れない、とか、ボールを強く叩けない、といわれてきた。その非力さを補うために体を大きく使い、インパクトからフォロースルーにかけて、体をそらすように使うのを常としてきた。実は、これではヘッドスピードは速まらず、エネルギー効率も悪い。

さて、小祝のスイングである。下半身の動きを抑えて、上半身をひねる。当然、トップはコンパクトになる。そして、ダウンスイングに切り返すのだが、ここは、従来どうり左足の踏み込みからスタートする。このとき、上半身は、トップでの向きをキープする。これ、大事なポイントである。顔の向きを変えないという意識でもいい。胸郭がターゲットよりも右を向いた状態にするのだ。

この態勢ができると、ここからは、いくらでも腕を速く振り出せる。いわゆる振り遅れ現象など起こりようがない。

具体的に、どれくらい速く振り出すのか。左脚が着地したときにインパクトになっている。これが、理想的だといわれるようになっている。ペットボトルに水を半分ほど入れ、両手で口と底部分を持ち、腰と平行になるように構える。そして、ダウンスイングして平行になるところに戻したら、左手側に水が勢いよくぶつかるようにする。そんな練習方法を推奨するプロコーチもいる。最も強くヒットできるポジション探しとタイミングをつかむのに最適なドリルといえよう。小祝のスイングは、まさにこの動きが核になっている。腕、クラブを速く振り、ボールを強く叩く。参考になるゴルファーは少なくないはずだ。

■小祝さくら(こいわい・さくら) 1998年4月15日、北海道北広島市生まれ。母親が宮里藍のファンでレッスンに通ったことから、8歳でゴルフを始める。14年北海道女子アマ選手権優勝。16年ニッポンハムレディースに出場し、8位でローアマ獲得。17年プロテスト合格。19年サマンサタバサ・レディースでツアー初優勝。24年は2勝目で通算11勝。今季賞金ランク1位(1億1667万6422円)、年間ポイントランク2位。生涯獲得賞は7億円を突破。158センチ。家族は母と弟。

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