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やっぱり危険な選択的夫婦別姓 子供に「差別」や「アイデンティティー喪失」権利侵害の可能性 日本の国益を大きく損なう

zakzak by夕刊フジ 2024年11月15日 11時0分

元児童家庭支援士・近藤倫子氏寄稿

石破茂首相(総裁)率いる自民党は、衆院選大惨敗を受け、立憲民主党に衆院予算委員長だけでなく、憲法審査会長と法務委員長まで明け渡した。憲法改正が停滞する一方、岩盤保守層が警戒する「選択的夫婦別姓」の審議が加速する可能性がある。元児童家庭支援士で著述家の近藤倫子氏が「選択的夫婦別姓の危険性」を改めて寄稿した。

衆院は13日の本会議で、常任委員長を選出した。注目の法務委員長には、立憲民主党の西村智奈美元幹事長が就任した。

同党の野田佳彦代表は「(法務委員長は)どうしても取りたいポストの一つ」「法務委員会は『選択的夫婦別姓』を審議する場所であり、ぜひ採決まで持ち込んでいきたい」と公言しており、来年の通常国会への法案提出を狙っている。

筆者は先月、夕刊フジに「石破首相が沈黙『選択的夫婦別姓』の危険性」とタイトルで緊急寄稿し、「夫婦別姓のもとに生まれた子供は(中略)強制的に父あるいは母と違う姓となる」「第2子はどちらの姓にするのか、再び夫婦間でもめる可能性が考えられる」「子供の最善の利益を享受することができるだろうか」と問題提起した。

この寄稿に対し、多くの読者から「選択的夫婦別姓は『強制的親子別姓』であり、『兄弟姉妹別姓』につながり、家族の絆が危うくなる」「別姓夫婦のもとに生まれる子供が心配だ」など、賛同の声をいただいた。

別姓推進派は「選択肢が増えることはいい」「現行の夫婦同姓は女性差別、アイデンティティーの喪失を感じる」と主張するが、そこには子供への愛情は感じられない。

国連総会で1989年、子供の保護と基本的人権の尊重を促進する「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」が採択された。この条約では、子供が「権利の保有者」であり、それを守る「義務の担い手」として国と大人が定められている。

そして、日本の「こども基本法」にも、①差別の禁止②子供の最善の利益③生命、生存及び発達に関する権利④子供の意見の尊重―などと、子どもの権利条約の基本的な考え方が取り入れられている。

選択的夫婦別姓が施行された場合、筆者は「子供への権利侵害」として、①から④のすべてが該当すると考える。出生時に、強制的に父または母と異なる姓を与えられた子供は、②と④が侵害される。育つ過程では、①と③が侵害される可能性がある。

別姓推進派が主張する「差別」や「アイデンティティーの喪失」が、子供に行われる可能性が否定できないのだ。

次世代の日本を担う子供たちを守ることは、今の世代を受け持つ大人や国の義務である。「強制的親子別姓」「強制的兄弟姉妹別姓」は、未来の日本の国益を大きく損なうと改めて指摘したい。

■近藤倫子(こんどう・りんこ) 元児童家庭支援士、著述家。1975年生まれ。日本女子大学卒。Gakken、展転社にて連載。月刊WiLL執筆メンバー。ユーチューブ番組「デイリーWiLL」水曜担当。

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